
2歳の息子は、電車がだいすきです。おすすめの電車の絵本を教えてください
現在3歳の息子に読み聞かせた絵本は、これまでに400冊以上。その中から、実在する/した列車が登場する電車の絵本を選書しました。
なおこの記事の筆者である私は、まっっったく電車に興味ありません!
でもこれくらいは詳しくなってしまうものです。これが子育てというものですね。
なおJR中央線がテーマの絵本についてはたくさんあるので、別の記事にまとめています。

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ふみきりくん(えのもとえつこ)福音館書店 2016年

京成電鉄の海神駅(かいじんえき)の横にある、踏切の「ふみきりくん」が主人公です。京成電鉄の普通電車や、京成スカイライナーが登場します。
踏切の1日の仕事を始発から終電まで追うストーリーで、内容は平易です。起こるハプニングといえば、警報音が鳴っているのに急いで横断しようとするトラックを、ふみきりくんが制止することくらいです。
文字の分量も少なく、1ページあたり2〜4行。
踏切を見つけて「カンカンカン!」と喜ぶ子にぴったりの作品です。
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しゅっぱつしんこう!(山本忠敬)福音館書店 1982年

どこの保育園の2歳児クラスにも置いてある、名著です。子鉄なら”必修”の絵本ですから、教養として読ませてあげましょう。
おかあさんとみよちゃんが、特急列車と急行列車と普通列車を乗り継いで山の中に住むおじいちゃんの処へ遊びに行く、列車の旅が描かれています。
1982年に出版された本なので登場する列車は国鉄時代に活躍し、今は引退しているものばかり。作者ご本人曰く架空の列車旅の話だということですが、執筆にあたる取材旅で
- 特急列車「はつかり」仙台→盛岡
- 急行列車「山田線」盛岡→茂市
- 普通列車「岩泉線」茂市→浅内
これらの区間を訪れたそうです。(「少年版こどものとも65号〈8〉しゅっぱつ! しんこう 折り込みふろく”絵本のたのしみ”」より)
絵本の特急列車「はつかり」は2002年に引退、急行列車のモデルとなった山田線 キハ52 国鉄色は2007年にラストランを迎え、普通列車が走っていた岩泉線も2014年に廃線となっています。
ちなみに「はつかり」が途中ですれ違う東北新幹線ですが、取材当時は試運転中だったそうです。時代を感じますね。
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でんしゃがはしる(山本忠敬)福音館書店 1978年

山本忠敬(やまもとただよし)さんの作品が続きます。
山本さんはのりもの絵本作家として有名ですから、名前を覚えておきましょう。影のあるタッチと力強い線で、車両をリアルに描きます。
「でんしゃがはしる」は、品川駅を出発した山手線外回り電車がぐるりと1周してまた品川駅まで戻ってくるまでを描いた作品です。
登場する列車は、山手線のほかになんと55種類以上!通勤電車の他に、特急列車や貨物列車、ブルートレイン、モノレール、新幹線などあらゆる車両に出会えます。文章量は1ページあたり1〜5行と少ないので図鑑感覚で楽しめます。
おそらく”子鉄”なら、1つ1つを指差して「これはなに?」と名前を聞いてくると思うので、覚悟してください(笑。私は最低でも60回はこの絵本を読んで、電車の名称をひたすら答えたと記憶しています。それくらいハマります。
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でんしゃにのったよ(岡本雄司)福音館書店 2009年

男の子がお母さんと一緒に列車を乗り継いで、東京駅までいく様子を描きます。木版画の技法で描かれているので、ノスタルジックな絵に見えますが、現代の話です(登場する車両の種類から、2000年代前半と思われます)。
主人公が乗る列車は3つ。
- 大井川鐵道 普通列車
- 東海道線 113系(2006年に引退)
- 東海道新幹線 300系(2012年に引退)
旅程としてはおそらく大井川鐵道の始発駅から出発し、JR金谷駅で東海道線に乗り換え、静岡で東海道新幹線「ひかり」に乗り換えたのかなぁと思います。
幼い男の子にとって電車や新幹線を乗り継いで遠くの街に行くのは、ちょっとした冒険です。車窓を流れる景色やすれ違う列車1つ1つにワクワクする様子が伝わってきて、まるで一緒に旅するかのような気分になります。
著者の岡本雄司さんは2020年に「いろんなでんしゃはっしゃしまーす」を発表しており、こちらもおすすめです。京浜東北線、秋田新幹線こまち、江ノ電、西武線が登場します。沿線に住む子にはたまらない作品です。
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でんしゃがきた(竹下文子)偕成社 2013年
竹下文子×鈴木まもるのコンビによる、「でんしゃがきた」。特にストーリーはありません。田園風景を走る1両だけの列車、人をたくさん乗せた通勤列車、今日で引退する特急列車・・・日本各地の様々な「でんしゃがきた」瞬間の風景を切り取って描いた作品です。
ラストには(おそらく)東日本大震災を受けて不通になっていた三陸鉄道が運転再開して走るシーンもあり、喜んでいる人たちの笑顔を見ると、「あのころ」を知る大人はジーンときてしまいます。ちなみに出版は2013年なので、実際の全面開通よりは早めですね。願いを込めて描いたのでしょうか。
首都圏だけでなく、地方の路線もカバーされているのがポイントです。
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はしれ!ちんちんでんしゃ(後藤英雄)復刊ドットコム 2016年
ちょっとマニアックな作品を入れてみました。これは、東京を走る唯一の路面電車・都電荒川線をフィーチャーした絵本です。始発の早稲田駅から終点の三ノ輪橋駅までの沿線を、1975年ごろの車両(7000形)に乗ってめぐります。
この絵本は初版1981年でその後絶版となっていましたが、2016年に復刊しました。
したがって登場する電車も、国鉄103系電車だったり初代の京成AE車だったりノスタルジーを感じさせる車両ばかり。
我が家ではこの絵本をきっかけに、実際に都電荒川線に乗って飛鳥山公園(東京都北区)へ出かけました。公園内にはかつて1978年まで走っていた車両(6000型)が展示されていて、実際に車内に入ることもできます。無料ですし、園内を走る日本一短いモノレール「アスカルゴ」に乗っても楽しいです。
あかくんでんしゃとはしる(あんどうとしひこ)福音館書店 2008年
はっきり書かれてはいませんが、どっからどうみても江ノ電がモデルの絵本です。(作者が鎌倉在住だそうです。江ノ電で確定ですね)
物語の主人公は、赤い自動車「あかくん」。踏切で止まっていると、向こうから電車がやってきます。「まってまって いっしょにはしろう」と、電車を追いかけ並走します。駅で追いついたり、線路で立体交差したり、トンネルに入ったり。海岸沿いを走って、やがて電車は終着駅へ。「バイバイ。またいっしょにはしろう。」と挨拶をして、物語は終わります。
対象年齢は3〜5歳とありますが、文字の分量は極めて少ないです。見開き1ページで1〜2行程度。電車が好きなら2歳前半から楽しめるでしょう。
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モノレールのたび(みねおみつ)福音館書店 2014年

江ノ島つながりで、こちらの作品「モノレールのたび」も紹介します。神奈川県の藤沢駅と湘南江の島駅を結ぶ、懸垂式のモノレール「湘南モノレール」の沿線を辿ります。
福音館書店の「かがくのとも」という科学絵本シリーズから出ている作品なので、少し内容は難しいです。例えば<1本のレールで上下線が両方走れるように、駅で待ち合わせをしてレールのポイントが切り替える>シーンや、モノレールに電気を送るための送電線や変電所の説明などが入ります。
対象年齢4歳からですが、電車が好きなら2歳からいけます。もちろん内容を完全に理解するのは2歳には難しいかもしれませんが、モノレールに乗りながらうんちくを聞き流すノリで楽しんでくれます。
でんしゃのつくりかた(交通新聞社)交通新聞社 2021年
電車図鑑でお馴染みの交通新聞社が出している、ガチの「でんしゃのつくりかた」の絵本です。新潟にある車両製作所で、横須賀・総武快速線の新型車両(E235系)が製造される様子を鉄鋼レベルから解説してくれます。
これは2歳児向けというより、”子鉄”の親にとって勉強になる本です。「電車の車輪がついてるところって、”台車”っていうんだ〜」とか「完成した新車は、運転しないでディーゼル車が牽引して車両基地まで持ってくるんだ〜」とか色々発見があります(笑。
以上、2歳から楽しめる電車の絵本の中から<実在する/した列車が登場する作品>を、9冊紹介しました。
電車絵本は他にもまだまだあります。このサイトでは同じく2歳児向けに、<架空の列車が登場する作品>や<JR中央線に特化した作品>などの特集をしていますので、そちらも合わせてチェックしてみてください。
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