0歳からのアート教育

わが家は、息子が赤ちゃんのときから、アート教育を日常の育児に取り入れました。

とはいえ、まだ子どもたちは3歳と1歳。

できることは限られますが、これまでに取り組んだアート教育の数々を記録しておきます。

記事で紹介されている商品を購入すると、売上の一部がロジカル育児に還元されることがあります🌱

美術館で、アート鑑賞に親しむ

わが家が子連れで出かけた美術館の記録

息子の美術館デビューは生後半年。(よりによって、クリスチャン・ボルタンスキーの回顧展でした…暗すぎるw)

コロナ前は、長期休暇の時期にあわせ「親子鑑賞イベント」を実施する美術館がありました。

行動規制が緩くなるにつれ、またこうしたイベントが復活することを期待しています。

ちなみに筆者の経験上、アート鑑賞ができるようになるのは小学生から。

未就学児は、1つの作品に見入ったり、アーティストの世界に没入したりするにはお幼すぎるのです。

それでもわざわざ赤ちゃんのうちから美術館に連れ出す理由は、別のところにあります。

  • 子ども連れでの美術鑑賞という行為自体に、親が慣れるため
  • 美術館に行くという文化活動を、身近に感じてもらうため
  • 親が、アート鑑賞を楽しむ姿を見せるため

幼い子どもは、両親の影響を多分に受けます。

両親がアート鑑賞を愛し、美術館に一緒に出かければ(記憶に残らなくても、その時の写真がアルバムにあるだけで)、子どもはアートを身近に感じるようです。

未就学児のうちは、美術館に出かけるだけで目的達成ではないでしょうか。

逆に、幼い子どもが楽しめないのは「メトロポリタン美術館展」や「フェルメール展」のたぐい。

小さなキャンバスの前に人々が群がるあまり、子どもの視界には、人混みしか見えないという不愉快な経験になります。

乳幼児のアート鑑賞を豊かなものにする、環境づくり・声かけ

自宅のキッズスペースに、アートを飾る(子どもの目線の高さに)

モンテッソーリ教育では、「幼児期は目に見えるものをなんでも吸収する」として、子どもの目線に美しい絵画を飾ることをすすめていますよね。

筆者も、この考えに賛成です。

わが家のキッズスペースには、私たち家族を象徴するような、大事なアートを2つ飾っています。

どちらも家族のヒストリーを感じさせる、世界に1つしかないアートです。

「アートを飾れば知育になる!」と煽られると、ついモネやゴッホのフリー画像を探しがちですが(笑。

筆者は、親が心から美しいと思うものを飾ることに価値があると考えています。

美しい絵本や書籍を、子どもが手にとれる所に置く

「よい絵本」というのは大抵美しい絵が描かれていますが、中でも、親が気に入ったものを選んで身近に置くようにしています。

またインテリアや自然を撮影した写真集なども買い集めて、子どもがさわれる場所に置きっぱなしにしています。

親が積極的に、「きれいだね」「美しいね」と声に出して呟く

筆者は子どもたちと一緒に街を歩くとき、うるさいくらいペチャクチャ喋ります。

これを保育園の行き帰りの道(なんと3キロありますw)を歩きながら毎日やっているうち、子どものほうでも、勝手に美しさを感じてくれるようになりました。

親子の会話を通じて、感性が共有されたのだと思います。

これは美術館でのアート鑑賞の際も同じことで、

「ママ、この色合い好きよ」とか「勢いのあるタッチでいいねぇ」とか、大きな声で独り言をいうのです。(だから、シーンと静まり返ったような展覧会には子連れでは絶対行きませんw)

そうすると、アートのことはなんだかわからなくても、「ワタシの大好きなお母さんが、好きなもの」として親しみを感じてくれます。

発色のよい画材で、お絵かきを楽しむ

殴り描きスタイルと相性がいいのは、ブロックタイプのクレヨン

1歳の娘にクレヨンを渡してみると、画用紙の上をシャーっと滑らせてなぐり描きをします。

なぐり描き時代に活躍するのが、ブロックタイプのクレヨンです。どこを掴んでも描けるので、指先が未発達の赤ちゃんでも使えます。

シュトックマー社(ドイツ)の蜜ろうブロッククレヨン

ブロッククレヨンの中でも、シュトックマー社の商品が選ばれる理由は、その発色のよさでしょう。

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描いた絵に意味づけを始めたら、そろそろ色鉛筆デビューの合図

経験上、おしゃべりが上手になるまではなぐり描きスタイルが続きます。

息子が「意味のある絵」を描き始めたのは、3歳を過ぎてから。

ある日突然「これは電車なの。ここに窓があって、ドアがあるの」と物語りながら、手を動かすようになりました。

色を表す語彙も増えてきたこの頃に、色鉛筆を持たせてあげることに決めました。

リラ社(ドイツ)のグルーヴトリプルワン(太)

筆圧の弱い子どもに与える色鉛筆は、太くて握りやすいものがよいと知り、選んだのがリラ社のグルーヴトリプルワンです。

なんと直径10mmという極太芯。赤ちゃん並みの筆圧でも、しっかり色がでます。

わが家では、金・銀を含む12色セットをお迎えしました。

グルーヴトリプルワンの収納には、こちらの鉛筆立てを使用しています。

リラ社の色鉛筆とシュトックマー社のクレヨンの相性はとてもいいので、両方あわせて使うことで、より豊かな表現を楽しめます。

紙へのこだわり

わが家では表面がザラザラして描きごたえのある、マルマンのスケッチブックを愛用しています。大胆に手を動かしても、はみ出ない大きさ(B4サイズ)というのも気に入っているポイントです。

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初めの頃は、ほんの2〜3本線を描いただけですぐ次のページをめくってしまう様子を見て、もったいないような気持ちになり、慌てて100均の画用紙を買い与えました。

しかし表面がツルツルする紙質が気に入らなかったようで、お絵描き自体あまりしなくなってしまったのです。

シュタイナー絵画教育に詳しいとしくらえみさんは、「かならずしも白い画用紙に描かなければならないわけではありません」といい、色画用紙や和紙の使用も提案しています。

巨大キャンバスで、絵の具遊び

子どもたちに好評なのが、巨大キャンバスでのお絵描きです。

わが家は2歳差兄妹なので、下の子が歩けるようになるまで、一緒に屋外で遊ばせる方法に難儀しました。屋外でのアート遊びは、数少ない選択肢の1つとして、下の子が0歳の頃からよくやりました。

少々絵の具がとんでも、水性絵の具ならいずれ雨で消えるので神経質になる必要はありません。

たくさん絵の具を消費するときにありがたいのが、IKEAのモーラ。8色セットのたっぷりボトル入り(各50ml)水性絵の具が、わずか999円で手に入ります。

アート教育を 実践したい人のための参考情報

2022年度版:主要な美術館・博物館の年間スケジュール [全国]

先日、神のようなエクセルを共有してくださっている方を発見したので共有します。筆者は、2〜3つほど「子どもを連れて行きたいな」と思える企画展を発見できました!こういう情報、とっても助かります。

親が読みたい。「アート入門」に役立つ書籍

13歳からのアート思考 「自分だけの答え」が見つかる

こんな記事を書いておいて恐縮ですが、筆者自身、アートに造詣を深めるようになったのは20代半ばになってからです。

アートといえば西洋絵画や日本画しか知らなかった上に、どうもそれらを好きになれなかったものですから、「みんなが良いというのに、私には良さがサッパリわからない。芸術のセンスが無いのね!」と思い込んでいたのです。

しかし手当たり次第美術館に通ううち、考え方が一変する出来事が起こりました。


末永幸歩さんの『13歳からのアート思考 「自分だけの答え」が見つかる』は、1冊丸っとつかって「自分の内側にある興味をもとに自分のものの見方で世界をとらえ、自分なりの探求をし続けること」の価値について説きます

本書は子ども向けに平易な文章で書かれているため、サクッと読めるのが嬉しいところ。遠回りせずに、アートへの造詣を深めることができ、忙しい大人たちにこそ役立つ1冊です。

子ども・絵・色 ーシュタイナー絵画教育の中からー

シュタイナーの考え方に基づく、乳幼児への絵画教育について、実践的なアイディアを多数綴っておられます。

子どもがお絵かきを好きになり始めたけれど、今の関わり方ではどうも才能を伸ばしきれていない気がする・・・というタイミングで、新たなアイディアを授けてくれました。

どのように美意識を育てるか、いろいろな創作活動のアイディア、画材について、子どもの絵を育てる環境と大人の関わり方・・・。

巻末の「付録・大人のための絵画教室テキスト」には、著者が主催する絵画レッスンの内容を、手書きノート風にまとめてあり参考になります。

子どもの絵の見方、育て方

初版1985年の古い本なので、多様性や女性の権利に関わる記述に引っかかる箇所が多々ありましたが、論旨は優れているので紹介します。

1歳から9歳の子どもが描いた、豊富な作品例を参照しながら、子どもの絵の見方と育て方(タイトル通り!)を解説する1冊です。

筆者は、息子が3歳をむかえる直前にこの本を読んだのですが、「3歳ごろにはこういう絵を描くようになります」と本書が説明したとおりの表現を、その後すぐにするようになったので驚きました。

最初はのびのびとエネルギー溢れる絵を描いていた子どもたちが、大人たちのダメな声かけによって、記号的な絵(アニメやキャラクターにありがちなデフォルメされた表現)に成り下がる経緯が示されると、我がことのように冷や汗が出ます。

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[お出かけスポット]クリエイティブな遊びが楽しめるプレイグラウンド

東京・築地にある「crep(クリップ)」は、赤ちゃんからアート遊びが楽しめる施設です。貸出用スモックがあるほか、なんと温水シャワーまで借りられるので、絵の具まみれになっても安心。

近々遊びにいく予定を立てているので、レポしますね。

おわりに