
夫は家事を頼んでもすぐやってくれなかったり、深夜に突然お風呂場の大掃除を始めたり「今それやる?」感がすごいんです。産後の家事負担がいまから怖いのですが、いい家事分担の方法はありませんか?
無料でダウンロードできる家事分担リスト(Excel)を公開しました。手順に沿って、効率よく家事分担しちゃいましょう。
本記事の内容
- 家事タスクの全量を把握する
- タスクに重みづけをする(所要時間×頻度×精神負荷×体力負荷)→妻の許容量とタスク量の比較
- 家事に求めるクオリティなど、期待値のすり合わせ
- 家事分担リストをもとに、メンバー(夫、身内、家事代行、便利家電)で再分担しよう
産後一週間で退院→自宅に戻り→娘のお世話と一週間分の夫の洗濯物と、廃墟のような自宅の掃除をし、→『なんだ、産後一週間でも動けるやん』と夫に言われ→産後一ヶ月検診で産科医師に叱られ→でも夫は『お前が家事やらないで誰がやるの?え?お母さん呼ぶ?勘弁してよ』といわれた垢はこちらです。
— あつこ (@atsuko_beerlove) January 2, 2020
産後、鉄板のお悩み。
出産準備のSTEP3は、家事分担についてです。
1. 家事タスクの全量を把握する ※「家事分担リスト」無料公開中
家事分担の大まかな流れを解説します。まずは1番から。
家事分担のステップ
- 家事タスクの全量を把握する
- タスクに重みづけをする(所要時間×頻度×精神負荷×体力負荷)→妻の許容量とタスク量の比較
- 家事に求めるクオリティなど、期待値のすり合わせ
- 家事分担リストをもとに、メンバー(夫、身内、家事代行、便利家電)で再分担しよう
家事タスクの全量を把握しないと「名もなき家事」を引き継げない
家事分担によくある失敗のひとつに、家事タスクの全量を妻も夫も把握できていないまま適当に振り分けてしまい、結果として「名もなき家事」の負担が妻に全て降りかかるという悲劇があります。
昨日の#逃げ恥で「ゴミ出しは家事じゃない」って名言があったけど①各ゴミの分別方法を理解して②収集日とルールを把握して③自発的に出し④ゴミ袋が無くなってきたら買ってくる&時々ゴミ箱洗う、の四つが出来てたらちゃんと「家事」じゃないかなあ。私の夫?もちろん一切やりませんよー。
— Hanako_Yokomori (@Hanako_yokomori) November 29, 2016
この状態のまま産後「ゴミ出しお願い」と、夫に丸投げすると、妻は死にます。
ですから、名もなき家事も含めて、大小様々なタスクをつぶさに把握するのは非常に重要です。
家事分担リストで家事の棚卸しをする
今となっては夫婦どちらも同じクオリティで家事をこなせるのでこんな表必要ありませんが、1番最初に認識をすり合わせるのに重宝しました。名もなき家事も含めて1つ1つ棚卸しして、どちらかに負担が偏らないようにしました。

2. タスクに重みづけをする(所要時間×頻度×精神負荷×体力負荷)→妻の許容量とタスク量の比較
タスクに重みづけをしよう
どの家事をどれだけダルいと思うかは人によって違います。
夫が家事の中で1番苦手な料理を私がやり、私が家事の中で1番苦手な洗濯物畳むのを夫がやる。そんな穏やかな休日。
— みちこ@おやすみ (@Michi_t_michi) May 4, 2020
一緒に暮らす人は、苦手なものが被らない人の方が便利です(便利)
例えばお恥ずかしい話ですが、私はシンクの排水口のネットを滅多に変えません。排水口が詰まって中身が浮き上がってきてもまだ放置してしまうくらいこの掃除が嫌いなのです。そこで、排水口のネット交換や清掃に関しては夫が必ずやってくれるようになりました。
一方の夫は、アイロンかけを極端に嫌います。我が家でアイロンが必要な衣類なんて夫のYシャツくらいなのに、断固としてしません。かつて一度アイロンかけを頼んだら、Yシャツを毎回クリーニングに出した場合のコスト計算をし始めたので「そこまで嫌だとは思わなかった」と仰天し、以来ずっと私のタスクです。
このように「どの家事をどれだけダルいと思うか」は人によって違います。しかしダルいかダルくないかの2択で考えてしまいますと、家事なんてものはおよそダルいので話が先に進みません。
このダルさをなるべく正確に比較するために、タスクに重みづけをしていくことが肝心になります。
タスクの重さは「所要時間×頻度×精神負荷×体力負荷」で考える
「ダルい」というのは主観的な感覚ではありますが、夫婦間の感覚のブレ幅をなるべく小さくするのが以下の考え方です。
タスクの重さ=所要時間×頻度×精神負荷×体力負荷
所要時間
単純に、一連の作業にかかる時間です。例えば「排水口のネットを捨てて、新しいものに交換。排水口本体にスプレーして古い歯ブラシでヌメリを擦りとる」の準備から片付けまでで、せいぜい3~5分でしょう。
頻度
家事分担リストでは大まかに「定期」「不定期」の分類をしました。目安として月1回も発生しないような家事を「不定期」に分類しています。したがって同じ「定期」に分類されても1日2~3回(例えば調理)なのか、週に3~4回(例えばトイレ掃除)なのかで負担が変わります。どのタスクをどれくらいの頻度でやりたいと思うのかは夫婦の考え方次第なので、この頻度は各人で相談すべきでしょう。
精神負荷
筆者の「排水口のヌメリだけは絶対イヤ!触りたくない、見たくもない!」という強烈な拒絶反応がこれにあたります。たった5分で終わる排水口掃除より、最低30分はかかるアイロンかけの方がマシという背景にはこの精神負荷があります。そしてこれは「ワガママだ」と我慢させるのではなく、特に気にならないほうがやるか、夫婦ともにイヤなら外注するのが健全です。
体力負荷
家事をこなすにあたって、物理的な制限があります。臨月の妊婦さんはバランスを崩しがちになるので、お風呂の浴槽掃除は危険です。椅子に登らないと届きませんから、エアコンの掃除も無理でしょう。このように「気持ち的にはやってもいいけど、物理的にやれない」ものには体力負荷が背景にあると考えます。
あなた(妻)のキャパシティに対して、担当タスクはどれくらい重いですか?
あなた(妻)が担当している家事の「タスクの重み」スコアを合計しよう
家事分担リストでは、上に解説した「タスクの重み」を1~5の5段階で評価できるようになっています。1が「なんとも思わないで、フツーにやれる」という楽勝レベルで、5が「死ぬほどイヤ」の拒絶レベルです。

タスクを1個1個評価して、現状の生活で自分が主に担当しているタスクにチェックをつけます。そうすると、スコアが集計されますので覚えておいてください。
産後のあなた(妻)のキャパシティを想像しよう
もう一度リスト全体を見渡して、産後の生活をイメージします。絶え間ない授乳・寝かしつけ・夜泣き・おむつ替え・・・。いま抱えているタスクをそのまま担当し続けるのは不可能ですから、誰かにいくらか負担してもらわなければいけません。
引き継ぎの手間は一旦忘れましょう。どのタスクから完全に手を引けたら、楽になりますか?
まだ誰に何をお願いするかは一旦置いておいて、いまの自分のキャパシティと産後の自分のキャパシティ、そして現在抱えているタスクの量(タスクの重さ)を客観視してください。
3. 家事に求めるクオリティなど、期待値のすり合わせ
タスクを誰かに割り振る前に、重要なことがあります。
それは家事に求めるクオリティなどを夫婦で話し合い、期待値をすり合わせる作業です。誰かに家事を依頼するときは「結果が同じなら、プロセスはご自由に」が成功の秘訣ですが、その「結果」に求めるクオリティもこの機会に確認しておきます。
妥協できるポイントを考える
例えばタスクを総ざらいしたときに、どうも産後の自分は調理にまで絶対手が回らないことが予想できたとします。そうすると、
- <今まで>ご飯は必ず温かい状態で配膳 → <産後>作り置きを自分でチンして
- <今まで>栄養バランスに配慮 → <産後>夕食・週末はスーパーの惣菜かデリバリー
- <今まで>いつもの味付け・いつものメニュー → <産後>実家のお母さんや家事代行の手作り料理
など、妥協するポイント・妥協しないポイントを明確にすると少しずつ現実的な代替案を出していくことができます。今は代替案まで考える必要はありません。何なら妥協できるかだけを考えてください。
「独自ルール」と「根拠あるルール」は明確に区別しよう
「靴下は絶対につま先を留めて干さないとダメ!」とか「シンクのお皿は、食後1時間以内に片付ける」とか独自ルールにこだわるとうまくいきません。例えば「虫がわくから、シンクのお皿は寝る前には片付けてね」なら、ルールを守らなかった場合の被害が明確でわかりやすいですが、人に頼む以上はただのこだわりへの固執はNGです。
またクオリティだけではなく、タスクの実施頻度を下げることで負担を軽くすることもできます。掃除系タスクがよく当てはまるでしょう。
絶対に妥協したくない?→せいぜい3ヶ月の我慢ですよ
こだわりのある家事ほど、クオリティの低下・頻度の低下を受け入れるのは難しいでしょう。
それでも、これらの変化はせいぜい3ヶ月程度です。
3ヶ月も家事分担が続けば、これまで家事に無頓着だったとしても確実に夫は変わります。物理的にやれるかやれないかは置いておいて、タスクの総量が頭の中に叩き込まれているので、あなたに対するいたわりの姿勢が激変しているはずです。
その頃にはあなたの身体は妊娠期・産後直後よりは遥かにマシになっているので、徐々にクオリティ・頻度をもとに戻すことだって可能です。
4. 家事分担リストをもとに、メンバー(夫、身内、家事代行、便利家電)で再分担しよう
ここまで来て、ようやくタスクを自分以外のメンバーに振ることができます。
家事を頼むべき相手は夫が正解とは限らない
夫婦ですから夫に多くを担ってもらいたいところですが、ここは各家庭の事情によります。
残業が多く家にいる時間が短い夫には、「食材・日用品の在庫管理に責任を持ち、ネットで注文する」など在宅時間が少なくても担えるタスクを振ります。
夫がイライラしがちで家にいてもスマホばっかり見ている・・・という家庭は、むかつきますが、ここはグッと堪えるのもアリです。彼からストレス解消タイムを取り上げたら鬱になって休職してしまうかもしれません。夫に何か頼むのは諦めて、家事代行や身内にヘルプを出しまくりましょう。その代わり夫には、「仕事が大変でしょう。リラックスする時間は大切にしてあげたいから、あなたの負担は増やさない。でも私のキャパシティに対してタスク量が上回っているのは事実だから、家事代行(や身内ヘルプ、便利家電)を使わせてね。それには毎月料金が○万円かかるから、お願いね」と説明すればいいのです。それでも出費を許さないようなら、残念ながらDVです。
家事を分担した後の、絶対的ルール
家事タスクの全量を把握し、それぞれのタスクの重みを知り、夫婦間で期待値をすり合わせた後ですから、最終的な家事分担作業はとても簡単になっているはずです。
いざ家事を誰かにお願いしたら、以下の2点を絶対に守りましょう。
- 事前に合意した期待値以上の、結果は求めない
- プロセスには口を出さない
夫が毎日〜毎週の家事(調理、食器洗い、洗濯、掃除機、ゴミ出し、買い出し、授乳、沐浴、寝かしつけ)を主に担当していて、基本的な生活は夫の活動だけでも成り立ってる。なので1ヶ月くらいならわたしが機能しなくても家の中は保たれるようになってる。
— ガフの扉を開けたきもぴか (@picca009) June 23, 2020
理想はこの境地ですね!
それなりに労力のかかる作業ですが、産後にラクをするためです。
一緒に頑張りましょうね。