コンバインド検査を受けてみたいのですが、口コミがあまり見つかりません。クアトロ検査よりは確率が高そうですが、どんな検査ですか?費用はどれくらいですか?
解説します。
本記事の内容
- コンバインド検査がどんな検査なのかわかる
- コンバインド検査の受け方と費用がわかる
- 実際のコンバインド検査の結果用紙を元に、結果の見方がわかる
2020年にコンバインド検査を受けた筆者が、実体験を元に解説します。医学的な内容は、受診していた大学病院で配布された資料(画像あり)を元にしています。
クアトロ検査について興味がある方は、こちらに詳しくまとめていますのでどうぞ。

そもそも「出生前診断」ってなに?という方は、こちらを先に読んでからまた戻ってきてください!

コンバインド検査ってどんな検査?
コンバインド検査は、染色体異常(21トリソミー・18トリソミー)の確率を計る出生前診断です
妊娠初期(11~13週)に精密エコーで赤ちゃんの状態を計測した上で、採血し、その2つの検査結果を組み合わせて「お腹の赤ちゃんが染色体異常である確率」を出してくれます。わかる病気は、21トリソミー(ダウン症)・18トリソミーの2つです。検出率はダウン症で83%、18トリソミーで80%です。エコー&採血だけなので母体にも赤ちゃんにもノーリスクなのが嬉しい反面、あくまで確率を出すだけなので「検査で陰性でしたが、やっぱりダウン症でした」ということがあり得ます。(このような検査を「非確定診断」と言います。結果を100%と断定できないので、「非確定」です)
コンバインド検査とクアトロ検査の違いを比較してみた
検査名 | コンバインド検査 | クアトロ検査 |
---|---|---|
診断種類 | 非確定診断 | |
実施期間 | 11-13週 | 15-17週 |
わかる病気 | ダウン症、18トリソミー | ダウン症、18トリソミー、開放性二分脊椎 |
感度 | 83% | 80% |
結果まで | 約2週間 | |
検査内容 | 採血&エコー | 採血のみ |
参考費用 | 30,000円 | 25,000円 |
違いをまとめると↓
- コンバインド検査は、採血+エコーの組み合わせ技(クアトロ検査は採血のみ)
- コンバインド検査は、クアトロ検査より感度が少し高い
- コンバインド検査は、クアトロ検査より検査を受けられる週数が早い
- コンバインド検査は、「開放性二分脊椎」については検査できない
- コンバインド検査は、クアトロ検査より検査費用が若干高い
コンバインド検査とクアトロ検査でざっくりメリット・デメリットを洗い出すと、まぁ感度が若干高い分だけコンバインド検査のほうが良さそう?という印象です。筆者はそのように感じて第2子妊娠の今回は、コンバインド検査を受けてみることにしました。
ただ、夫婦によって抱えている遺伝子リスクは異なります。例えば開放性二分脊椎・無脳症などの神経管異常が心配だという夫婦にとってはクアトロ検査のほうがためになるでしょうし、その辺りは夫婦間や主治医と相談して決めるべきです。
コンバインド検査の受け方と費用
コンバインド検査のタイムライン:申し込みから結果発表まで
わずか2年前に同じ産院で「クアトロ検査」を受けたばかりということもあり、出生前診断についての一般的な説明やカウンセリングは省略されました。(筆者は話が早くていいなと思いましたが、不安な人は経産婦でもじっくり説明を求めましょう。)
妊娠13週に予約をとって、終了です。
産院の都合上、第2回の妊婦健診も兼ねていたのでいつも通り助成クーポンを利用して体重・血圧の測定、尿検査からスタートします。
コンバインド検査開始:まずは丁寧なエコーから
診察室に呼ばれてすぐに、エコー用のベッドに横になりました。ここから数十分かけて、丁寧なエコーが行われます。かなり長い時間赤ちゃんを観察できるのが嬉しいです。普段の妊婦健診エコーではここまで細かく見ません。チェックするのは↓
- 心拍数
- CRL(頭からお尻までの長さ)
- NT(首の後ろのむくみ)←むくみが太いのは、ダウン症児に特徴的
- 鼻の骨←鼻の骨がない、短いはダウン症児に特徴的
- 心臓の三尖弁の逆流の有無←血液が逆流していないか
- 静脈管の血流波形
など、この時期にわかる範囲で臓器の形成などをとにかく丁寧に見てくれます。
このチェック項目をクリアするために、赤ちゃんの体勢が変わるまでまったり、エコー機器で「こんなに強くお腹押して大丈夫なの?」というくらい強めの力を入れて変な角度から押したり・・・よーく丁寧に見ます。(今はコロナ対策で旦那さん同伴という方は少ないと思いますが、この精密エコーの付き添いは強い関心がないと絶対ヒマなので旦那さんは廊下で待っててもらっていいと思います)
筆者は、寝ているだけでヒマだったので色々聞いてみたのですが
- (コンバインド検査では検知できない)無脳症ではなさそう?→脳の中身はありますね
- むくみ(NT)の長さは普通?→何度か測っても全部1.6mmや1.7mmなのでこの数値だけ見れば大丈夫そう
- 口唇口蓋裂はなさそう?→今の時期はわからない。妊娠20週の中期スクリーニングでわかるけど、今はきれいに手術できる病気だから、この病気が分かったからといって赤ちゃんを諦めるようなものでもないね
- 性別はわかる?→今日はわからない。早いと次回(妊娠15週後半)の健診で見えるんじゃないかな
と、丁寧に答えてくださいました。
初マタさんは恥ずかしくて色々聞けないかもしれませんが、先生も慣れているでしょうから、ちょっとモヤっとしたら戸惑わずにその場でどんどん聞くことを心からお勧めします。
コンバインド検査開始:採血
採血のやり方は、いつも通りです。ただ数ミリ血をとって、傷跡を5分押さえれば完了です。
検査は以上です。
筆者の場合は、エコーの後、採血室に移動するまでの間にコンバインド検査の「同意書」「説明書」にサインをしました。配偶者サイン欄もありましたが「代筆でいいから!」だそうです、なんのこっちゃ・・・。
検査結果は内容に関わらず、必ず医師から対面で発表されることになっています。
通常の妊婦健診と抱き合わせの診察時間でしたが、まず先に検査の発表をしてくれるので落ち着いて話が聞けます。ゆっくり時間をかけて、検査結果を元に「スクリーニング陰性」の根拠を説明して頂きました。
※ここでスクリーニング陽性(染色体異常が疑われる結果)になると、感度100%の羊水検査に進むか問われます。陽性確定なら中絶を希望する場合は、羊水検査を一番遅くとも妊娠18週中には受けておく必要がありますので、検査の予約は最短日時をその場で押さえるイメージです。
スクリーニング陰性で結果に納得できた方、またはスクリーニング陽性でも「確定診断は受けない、運命にかける!」という方は、検査はここで終了です。
コンバインド検査の費用→約30,000円です
筆者の診療明細は
- 尿検査 260円
- 再診料 4,000円
- 超音波(精密) 8,000円
- AFP(コンバインド検査のこと) 25,000円
ここから助成クーポン2枚で10,370円が値引かれて、自腹分は26,890円でした。
そんなに全国で相場に差があるとも思いませんが、あくまで筆者の受診している都心の大学病院のケースだとご承知おきください。
実際のコンバインド検査の結果を公開!結果の見方を解説します
コンバインド検査、実際の結果はこちら
これが筆者が、21トリソミー・18トリソミーの赤ちゃんをそれぞれ妊娠している確率です。
目安となる「カットオフ値」(表の一番右)を見て、その数値より自分のスコアが高いと「スクリーニング陽性」で、低いと「スクリーニング陰性」となります。
筆者の場合、10,000分の1という数値はカットオフ値220分の1より低いので「スクリーニング陰性」、というわけです。ちなみに検査結果が10,000分の1より小さい場合は、全員10,000分の1と表記されるそうです。
コンバインド検査の、結果の解釈
コンバインド検査は確定診断ではないので、お医者さんも検査結果について断定的な物言いはできません。「この数値であれば羊水検査に進む必要はなさそうと思うけど」とか「あまり心配はいらないかなという感じですが」とかボカしてきます。仕方ないですね、それが非確定診断です。
筆者の主治医は「スクリーニング陰性だから、大丈夫でしょう。まぁ10,000分の1は可能性ありますけど、10,000分の1なんでね」とのことでした。筆者もこの結果を見て、流石に羊水検査に進もうとは思いませんでしたし、これで気持ちをスッキリ切り替えることができました。
ですから主治医をどれだけ信頼しているか、検査結果について納得感をもてるかが肝心になってきます。いずれにしても、妊娠してしまった時点で両親は死ぬまで子どもの将来に全責任を負うわけですから、この検査結果をどう捉えるかはある意味「親レベル」をあげるための試練なのかもしれません。
他の出生前診断について知りたい、という方は改めて下の記事をお読みください。

納得のいく検査が受けられることを願います。