【4人に1人が帝王切開】もしも突然、緊急帝王切開になったらどうなる?

急遽、帝王切開で出産することになりました。帝王切開になるとは夢にも思っていなかったので、心の準備が何もできていません。帝王切開はどんな流れで行われますか?リスクや費用も知りたいです。

そんな、パニック状態の妊婦さんの疑問にお答えします。

本記事の内容

  • どんな時、緊急帝王切開になるのか事例がわかる
  • 緊急帝王切開の流れがわかる
  • 術後にやること、ママの心のケア、手術の副作用がわかる
  • 緊急帝王切開の出産費用がわかる

アメリカの大手育児雑誌Parentsの記事「All About C-Sections: Before, During, and After」を元に、日本での緊急帝王切開にあった内容にアレンジしました。

どんな時、緊急帝王切開になってしまうの?

ほとんどの妊婦さんは、経膣分娩を想像しています。陣痛の痛みに耐えられるか心配はしても、まさか陣痛に苦しんだ上に帝王切開まで経験するとは夢にも思っていない人がほとんどです。

しかし、今日、日本では4人に1人の妊婦さんが帝王切開で赤ちゃんを出産しています(2017年度調査)

帝王切開は、医師が経膣分娩より安全だと判断した場合に実施することができます。帝王切開になる医学的な理由としては、巨大児、多胎妊娠、逆子、前置胎盤などの他に、糖尿病、高血圧、心臓病など母体のリスクが挙げられます。

しかし、陣痛がすでに始まってから、医師がギリギリのところで帝王切開を決断することもあります

緊急帝王切開と呼ばれるこの計画外の手術は、一般的に次のようなケースでおこります。

緊急帝王切開になる理由

陣痛が正常に進行していない

子宮口が開かないまま陣痛が長引くと、感染症のリスクがあります。

赤ちゃんが苦しそう

へその緒が赤ちゃんの首に2重に絡まっていたり、へその緒が胎盤から脱落しそうになっていると、赤ちゃんへ酸素がいかなくなってしまい危険です。胎盤が剥がれかかっていると、合併症や出血を引き起こす可能性があります。

また、赤ちゃんの頭が大きすぎて骨盤に収まらないと、物理的に下から出産することができません。

(帝王切開経験者の場合)前回の切開傷が裂けそう

帝王切開経験者のほとんどは次回の出産も帝王切開になりますが、中にはVBAC(帝王切開の後に、経膣分娩で出産すること)を行っている産院もあります。およそ100人に1人の割合で、前回の切開傷が裂けて子宮破裂(大量出血)となるリスクがあります。ですからそれを回避するために、傷が裂けそうになったら予防的に帝王切開を実施します。

緊急帝王切開の流れ

緊急帝王切開は、一度にあまりにも多くのことが起こるので、突然手術となった妊婦さんにはカオスに思えます。事前に手術の流れを知っておくことで、いざ緊急手術になってもパニックにならずに済むでしょう。

順調なら、手術開始からわずか10~15分後には出産です。出産後、2つの切開部を縫合してリカバリータイムに入るまで30分はかかるでしょう。

手術の準備

まず切開部分を洗浄し、下腹をシェービングします。点滴で抗生物質やその他の液体が投与されます。痛みを軽減するために、硬膜外麻酔か脊髄注射が行われます。(麻酔なしでの緊急帝王切開はありえませんから、怖がらないで大丈夫です。ごく極端なシチュエーションに限り、完全に気絶するくらいの全身麻酔を行うこともあります。)

いよいよ切開手術開始

麻酔科医が、あなたの腹部がちゃんと麻痺していることを確認します。

1回目の切開(腹部)

医師が、あなたの腹部に最初の切開を行います。あなたは目を覚ましていますが、お腹が切られる感覚を味わうことはありません。また手術用シートで視界が遮られますから、お腹が切られる様子が見えてしまうこともありません。

2回目の切開(子宮)

その後、今度は子宮に2番目の切開を行います。赤ちゃんが出てくるときに、わずかに「パチン」と引っ張られるような感覚を感じるかもしれません。すぐに小児科医が赤ちゃんの様子を確認し、問題がなければ、あなたの側に連れてきてくれます。

帝王切開でも、出産後すぐに赤ちゃんと触れ合えたお母さんは、出産に達成感・満足感を感じて産後うつの発症リスクが少なかったというデータがありますから、帝王切開直後に赤ちゃんと触れ合えるかは重要です!(バースプランにも、書いておくといいです。)

赤ちゃん誕生後

あなたが赤ちゃんと触れ合っている間に、医師が胎盤を取り除き、子宮と腹部の両方とも切開部を閉じます。

緊急帝王切開のリカバリータイム

緊急帝王切開の後は、回復室に連れて行かれ、血圧、出血量、脈拍数、呼吸数などがモニターされます。カテーテルは術後約12~24時間は繋がれたままで、翌日まで投与を受けることになります。手術初日はベッドで安静にしていても構いませんが、体位を変えたり、寝返りを打ったり、ベッドに座ったりするように指導されます。

ほとんどの産婦さんは切開部周辺に痛みを感じるので、痛み止めの薬を処方されます。(当たり前ですよね。健康な人のお腹を切るのは、帝王切開以外は殺人だけです!薬がなければ、死ぬほど痛い!)

傷口は痛みますが、帝王切開は病気ではないため、速やかな回復のために2日目からは身体を動かすように指導されます。授乳クッションを使いながら授乳が可能ですし、24時間以内には歩行ができるようになります。入院期間は経膣分娩より2~3日長めですが、自宅でも医師の指示に従って傷口のケアをしましょう。

身体を動かすように指導はされるものの、妊娠前と同じような活動は禁物です。実際、重い物を持ったり家事をしたりしたせいで傷口が裂けたという産婦さんは少なくありません。手術の過程で、内臓の位置をずらしたりしていますから、決して帝王切開のダメージを甘く見てはいけません。(特に旦那さんや家族が帝王切開に理解のない場合、注意!)

予期せず帝王切開になったママの心のケア

どれだけ予防策を講じたてきたとしても、どれだけ健康的な妊娠生活を送ってきたとしても、緊急帝王切開は避けられないことがあります。

帝王切開で産むことについて罪悪感や劣等感を感じたり、理想の出産ができなかったと失望感を感じたりする女性もいます。しかし、前向きに考えることが大切です。

確かに帝王切開には、一般的な手術と同じように内出血、血栓、感染症、臓器の損傷などのリスクがあることは事実です。また帝王切開後に呼吸器系のトラブルを抱える赤ちゃんも中にはいます。

しかし、現在の医療はすごいです。改善された麻酔薬、手術スキル、優れた抗生物質のおかげで帝王切開のリスクはこれまでの時代よりずっとずっと少なくなっています

健康的な赤ちゃんを産むことは、長い目で見れば、経膣分娩にこだわることより遥かに重要です。なんてったって帝王切開は少数派でもなんでもないのです!ママに抱っこされてその辺を散歩されている赤ちゃんのうち、4人に1人は帝王切開。仲間はいっぱいいますよ!

帝王切開の後遺症と切開傷の治り方

一般的な帝王切開の副作用と後遺症

一般的な帝王切開の副作用としては、けいれん、吐き気、脱力感、倦怠感などがあります。咳やくしゃみをしたり、笑ったりするのも不快な場合があります。

切開部周辺は最初の数週間は傷が完全に塞がっていないので、注意深く経過を観察する必要があります。もし傷口が赤くなったり、炎症を起こしたり、熱が出たりした場合は、感染症のサインかもしれません。医師に連絡してください。

帝王切開からの回復を早めるために

エール大学のスポーツ栄養士(リサ・キンメル氏)によれば、帝王切開からの回復を早めるために特定の栄養素を含む食べ物が役に立つとしています。

  • タンパク質(赤身の肉、卵、ナッツ類、豆類など)
  • 低脂肪の乳製品
  • 亜鉛(魚介類、肉、全粒穀物に含まれる)
  • ビタミンC(柑橘類、イチゴ、赤ピーマン)
  • ビタミンA(ニンジン、サツマイモ、マンゴー)

帝王切開の傷痕は、ちゃんと治るの?

ほとんどの産婦さんは、傷口周辺の神経が切られたことで痺れを感じますが、これは数ヶ月以内に治まるはずです。

気になる傷跡ですが、時間の経過とともに薄くなり、見た目も良くなり、最終的には肌の色に近い色にまで薄くなります!最近では、帝王切開はお腹のごく下の方を切るため、ビキニやローライズジーンズを着用していたとしても簡単に隠すことができます。これは朗報ですね。

緊急帝王切開の費用

妊娠・出産は病気ではない(←事実ですけどイラッとしますよね)ので保険適用外で全額自己負担ですが・・・帝王切開は立派な手術ですから、保険適用です!(あくまでオペにかかった費用だけが3割負担になります。入院管理費・食事代・個室料などは、経膣分娩と同じく実費です)

緊急帝王切開のオペ代は222,000円と決まっていますから、このうち3割を追加でお支払いする感じです。ただし実際には、入院日数が伸びたり投薬があったりで、手術費用の3割負担のみで追加料金が収まるケースはあまり聞きません。

ちなみに筆者が通院する産院では、出産費用は高い順に

無痛分娩 > 経膣自然分娩 > 帝王切開

で、むしろ帝王切開が保険が効く分1番安いです・・・。(ただしこれは予定帝王切開の例なので、緊急手術になる前に何日も入院して促進剤打ったり破水させたりの処置をしていたらその分値上がります)

しかも特定の条件を満たせば国の高額療養費制度でお金が戻ってきたり、民間の医療保険に加入している方は入院日数に応じて給付金があったり、むしろ経膣分娩より自己負担が少なく済む人だっています。

突然手術となると費用のことでパニックになってしまうかもしれませんが、案外心配しなくて大丈夫ですよ。

 

出産ドキュメンタリーに抵抗がなければ、この動画は参考になるかもしれません。(予定帝王切開ではありますが、術前の雰囲気から分かって、良いシミュレーションになると思います。)