【保存版】失敗しない産院の選び方・チェックリスト集

まだ妊娠5週ですが、かかりつけ医から「この辺りは激戦だから、もう産院を決めたほうがいいよ」と言われてびっくりしています。産院はどのように選べばいいのでしょうか。

産院の選び方について、妊娠期・出産・産後の3段階に分けて、それぞれ確認しておきたいポイントを解説します。無痛分娩施設の選び方も解説します。

 本記事の内容

  • 産院ごとに医療レベルはかなり違うという話
  • 妊娠初期、出産入院、産後の3段階を快適に。確認しておきたいポイント
  • 【無痛分娩】希望者は必見。本当に無痛分娩できるのか、ココを確認しよう。

ツイ主のおっしゃる通りです。そこで、皆さんが産院選びに失敗しなくて良いように、チェックしておきたいポイントを総ざらいしたのでまとめました

先を読み進める前に、以下にご注意ください。

  • ネットの調査により、今は妊婦さんの90%以上が医療機関で出産していることがわかっています。したがって本記事では助産院については言及しません。
  • 一般に「自宅・職場からの近さ」は重要項目ですが、1時間以内につけるなら問題ないとされています。その前提で幅広く検討してもらえればと思います。

産院ごとに医療レベルはかなり違うという話

「周産期母子医療センター」とそれ以外の産院

世の中には、「お産中になにかあると、救急車を呼ぶ産院」「救急車に乗ってきた妊婦さんを、受け入れる産院」の2種類あります。

日本全国のほとんどの産院は前者です

それに対してわずかな大病院だけが(東京は多めですが)、搬送されてきたヤバイ状態の妊婦さんや赤ちゃんを助けられる「周産期母子医療センター」指定を受けています。

参考 <PDF>周産期母子医療センター一覧厚生労働省

NICU(赤ちゃんの集中治療室)やM-FICU(母体・赤ちゃんの集中治療室)があるのが特徴です。

ハイリスク妊婦じゃなくても、大病院での出産は希望できる

ですから産院を選ぶ際にまず大前提となるのは、産院に求める医療レベルを考えること。

妊娠~出産期に「救急搬送されるかも」というリスクを自分がどれだけ怖がっているか、考えてみてください。高齢出産などハイリスク妊婦として正式に認定されている人はもちろん、自分自身は低リスクでも例えば「身近に出産事故で亡くなった人がいる」という人は出産がリアルに怖いはずです。

したがって「地域最高レベルの医療水準の産院がいい」と思ったら、「周産期母子医療センター」指定の総合病院・大学病院が候補になります。選択肢となる産院が複数ある場合は、常勤医の数(最低4人ほしい)や専門医の分野を確認したいですね。

個人院でも、大病院と連携がとれていたらOK。しかし以下は要注意

とはいえ、近隣に「周産期母子医療センター」指定の産院がそもそもないという人も多いでしょう。その場合は、候補となりそうな産院で「いざというときにどこと連携しているか」は絶対確認しましょう。基本的に連携先が答えられるような産院なら安心ですが、以下の2点の場合は要注意です。

  • 医師が1人しかいない(なにかあったとき、赤ちゃんと妊婦さんのそれぞれを診る医師がいるので最低2人はいて欲しい)
  • 個人院なのに、VBAC(前回帝王切開で出産した妊婦さんを、経膣分娩させるリスクの高い出産)をやっている

無痛分娩をウリに集客しているところが多いそうですが、それに釣られず警戒した方が良さそうです。

医療の質は大事。しかし、妊娠出産期の「快適さ」の効用を甘く見てはいけない

出産時の死亡事故は減ったとはいえ、命の危険と隣り合わせなのがお産。

しかしこの先にご紹介する、医療水準以外のチェックリストを確認していくと「医療の質以外にも、譲れないポイント」にいくつか気がつくと思います。医療の質はもちろん大事ですが、心地よさ・快適さのような一見ふんわりとした感覚の違いが、妊娠期~産後のQOLを大きく左右するのは事実です

(ハイリスク妊婦以外なら)「医療レベルのためなら、他はなんでも受け入れる」と我慢づよくならず、選択肢を広くもって検討することをお勧めします。

妊娠期、出産入院、産後の3段階を快適に。確認しておきたいポイント

8ヶ月におよぶ妊婦健診期間を快適に過ごすための、産院選びチェック

一般的な内容

  • 助成クーポンを使った後の、妊婦健診費用は?(支払い方法も確認したい)
  • 医師の指定はできる?(絶対、女医じゃなきゃイヤ!とか)
  • 担当医は固定?毎回担当する医師が違う・・・なんてことも)
  • 毎回の待ち時間(予約ありなのに2時間待つところも)
  • 予約のとりやすさ(土曜日しか行けないとき、ちゃんと予約とれる?)

設備・雰囲気について

  • 施設の様子、清潔感
  • 受付やスタッフ、助産師さんの雰囲気(掲示物の内容からもカルチャーがわかる)
  • キッズスペースの有無と場所(子どものうるささが、ストレスに感じる人も)

健診内容・サービスについて

  • エコー写真は毎回もらえるか(ごくまれに渡してくれないところも)
  • 出生前診断はできるか(できない場合、連携しているクリニックがあるか)
  • 4Dエコーはやってもらえるか(できなくても医療面で不足はないものの、あると楽しい)
  • 母親学級・両親学級はあるか(やってなくても自治体開催のがあるが、産院の雰囲気がよりわかる)
  • 助産師さんに電話や対面で気軽に相談できるか(相談するのにわざわざ「助産師外来」の予約がいるところも)
  • マタニティヨガ、リフレなど「お楽しみ」サービスがあるか(やってなくても民間のを利用すればいいが、自分の健康状況に詳しい産院で受けられるのはありがたい)

+α

  • セミオープンシステムに対応しているか(より自宅に近いクリニックで妊婦健診を受け、出産の時だけ連携している産院にうつることができる)

出産~退院までを成功させるための、産院選びチェック

入院~出産まで

  • 分娩方法は?選べる?無痛分娩については後述します。水中分娩、座位分娩など特殊な希望は確認必須)
  • 分娩・入院費用は?支払い方法もチェック。高額なのでクレカOKだとかなりポイント貯まります。健保からおりる42万円分を予め差し引いて請求してくれる「直接支払い制度」を導入してくれていると、ありがたい)
  • LDRはある?陣痛室と分娩室は近い?(LDRは、陣痛~出産~回復までをずっと同じ個室で過ごせるのでラク。産院によっては死ぬほどお腹痛いのに陣痛室→分娩室まで長距離歩かされ、トラウマになる人も)
  • 立ち会い出産はできる?(コロナでNGの産院多し。夫のみ、子どもは不可など立ち会いできる人物に制限があるかも確認)
  • 出産時のビデオ撮影はできる?(NGの産院多し。コロナで立ち会い不可の場合、ビデオ中継できるかも知りたい)
  • カンガルーケアはできる?(できないところも)
  • 臍帯血を保存できる?(認定施設でないとできない)

出産~退院まで

  • 母乳育児に対して、どれだけ積極的か(完全母乳推進の「おっぱい道場」で産み、体質で母乳が一滴も出ないのに赤ちゃんにミルクをあげることを許されない地獄を経験する人も。「絶対母乳」との強い意思がある場合は、BFH認定施設を選ぶのもあり)
  • 母子同室?別室?疲れたとき、夜間など気軽に預かってもらえるか。大部屋で常に母子同室だと割とうるさい…)
  • 個室に入れる可能性とその費用(全室個室のところもあれば、予約不可で空いていれば個室可というところも)
  • 食事のクオリティ(個人院ほどホテル並みの食事をウリにしている傾向。病院食が不味くても、見舞客にテイクアウトしてもらうからOK!という強者も)
  • 産後のケアサービスの有無(入院中にマッサージが受けられたり、退院後にそのまま入れる産褥ケア施設が併設されていたり)

孤独な産後を過ごさないための、産院選びチェック

  • 母乳外来、助産師外来など退院後のサポートはある?(費用も確認しよう。退院後に悩みがない産婦などいません)
  • 2週間健診はある?(全員必須の1ヶ月健診の前に、1回やってもらえると手厚い。退院後1週間程度で誰かに相談できる機会があるのは嬉しい。費用も確認しよう)
  • 産後の骨盤ケアなどエステ的サービスはある?(産後6~8週間経ってから、身体の歪みを矯正してくれるサービスがあるところも。なんと施術中無料で赤ちゃんを預かってくれるサービスもあるなど、個人院は力を入れがち)
  • 小児科併設かどうか(併設でなくても近所のところに通えば不便はない。ただし総合病院で出産すると、持病がなくても小児科の専門医がそのままかかりつけ医になってくれるなど、心配性の親には嬉しい)

【無痛分娩】希望者は必見。本当に無痛分娩できるのか、ココを確認しよう。

「無痛分娩できると聞いたからこの産院に決めたのに、実際はいろいろ条件があり、出産当日に『無痛分娩できません』と言われた」という悲痛な叫びが絶えません

「絶対、無痛分娩」「無痛分娩じゃないと産めない、こわい」と涙目の妊婦さんは、産院選びを失敗しないために以下のリストをチェックしてください。※一般的な無痛分娩のメリット・デメリットについては触れません、理解している前提で進みます。

【超重要】24時間365日、麻酔科医が常駐しているか?

この条件を満たす産院は、実は少ないです

「無痛分娩できます、ただし平日の9~17時に陣痛がきた人限定です!」という日時指定パターンが多く、その場合は土日や夜間に陣痛がきたら自然分娩になります。

それを避けるために平日の日中に計画入院をして、陣痛促進剤&人工破水で無痛分娩をするという医院はよくありますが、計画入院日より前に自然に陣痛が開始すると麻酔科医が確保できずにやはり自然分娩になる・・・という「失敗」例も多いです。

麻酔科医は、産科専任ですか?

これはコロナ禍で話題になりましたが、24時間365日無痛分娩可能という触れ込みだったのに麻酔科医が産科専任でなかったばっかりに、コロナ治療の応援に行ってしまい突如無痛分娩ができなくなったというケースもありました。

またコロナ感染防止のため、普段は外部から呼んでいる麻酔科医を呼べなくなってしまったのでやはり無痛分娩ができなかったというケースもありました。

麻酔科医は十分な人数確保されているか?

そもそも日本全体で麻酔科医が不足しているので、難しい条件ではあります。

麻酔科医の人数が不足していると、麻酔を追加してほしいタイミングで医師が捕まらず、「全然麻酔効いてない!痛い!早く先生来て!」と叫んでいる間に分娩になったというケースもあります。

麻酔をかけ始めるタイミング。お産の最初?進行してから?

陣痛の始まりから出産まで1秒も痛みを経験せずに済む完全無痛の施設があります。一方で「子宮口が3cm開くまで麻酔は打たない」など、自然なお産の進行に合わせて途中から麻酔を入れる施設もあります。お産の進みは人それぞれなので、子宮口が開くまでどれほども陣痛を経験せずに済んだ人もいれば、たった3cm開くまでに長時間の陣痛に悶え苦しんだという人もいて様々です。自分がどちらのパターンかはそのときになってみないと分かりませんが、麻酔を入れるタイミングは確認すべきでしょう。

麻酔の強さ。完全に感覚がなくなるのか、痛みが和らぐ程度なのか

麻酔が効きすぎると腹部に一切の感覚がなくなるので、いきめずに吸引分娩になることがあるというデメリットは、無痛分娩のリスクとしてよく聞くことです。そのため無痛分娩ではなく和痛分娩を名乗り、あくまで痛みをちょっと和らげる措置として実施している施設があります。どちらが良いと思うのかは人それぞれなので、どれくらいの麻酔を入れるのか(入れる麻酔量を相談できるのか)は確認しておきましょう

産院の選び方、おわりに

ここまで産院の選び方について確認しておきたいチェックポイントを解説してきました。

正直、全ての希望を満たしてくれる産院には出会えないと思います。しかし後から「こんなこと知らなかった!」と裏切られた(?)ような気持ちにならないためにも、産院を決める上で何を優先し、何を妥協したのかについて自分の中で納得感をもって進むことは大事です。

人気の産院は妊娠6週ごろに分娩予約が打ち切られるところもあり、産院の決定にかけられる時間は実は長くありません。妊娠が分かったばかりのソワソワ期に10ヶ月先の出来事までイメージして決めるのは難しいですが、この記事で紹介したチェックポイントを1つ1つ確認していけば大丈夫です。頑張ってください。