生後2週間まではよく寝る子だったのに、なぜか急に寝なくなってしまいました。スリングに入れたまま朝を迎えることもしばしばで、もう限界です。どうしたら寝てくれますか?
そんなお悩みを解決します。
本記事の内容
- よく寝る赤ちゃんの親がやめた3つのこと
- 寝ない赤ちゃんに試したい22のチェックリスト
海外の大手育児サイトを複数チェックし、寝ない新生児を抱えて困っている親に向けたアドバイスをまとめてみました。筆者はネントレには熱心に取り組みましたので、我が子は生後10週で夜通し寝るようになりました。個人的な経験も交えた内容になっています。
この記事を読み進める前に、1つだけご注意を。もしあなたが「何を試しても寝ない子は寝ない」と信じていたいなら、この先を読んでもショックを受けるだけなのでおすすめしません。
筆者の立場は、「親の努力次第で、赤ちゃんは早く睡眠習慣を獲得できる」という考えです。
あなたがこのスタンスに同意でき、子どもの睡眠習慣のために労を惜しまないと思える時にだけこの先を読み進めください。そうすれば有意義なヒントが見つかるはずです。
よく寝る赤ちゃんの親がやめた3つのこと
やめたこと①:自己流の生活スケジュール
時差ぼけ状態の赤ちゃんに「日中起きて夜は何時間も寝る」を身体に叩き込むには、徹底したスケジュール管理が必要です。「夜だよー、寝るよー」と言ったって何も通じませんから、言葉以外の方法であらゆる睡眠のサインを送る必要があります。言葉のわからない赤ちゃん相手に役立つのが、いかなる日もブレない厳格な規則正しいスケジュールです。
一番ラクなのは、すでに有名なネントレ本のスケジュールに機械的に従うこと。赤ちゃんにとって何が最適なスケジュールなのか、素人がゼロから考えるのは時間の無駄です。
おすすめのネントレスケジュール
特に厳しいスケジュールで有名なのは「ジーナ式」ですが、これは非常におすすめです。
理由は、このジーナさんという人は医者でも睡眠コンサルタントでもなく、クライアントの家庭に住み込んで働くカリスマナニーさんなので、「現場」を熟知していること。これまでお世話した赤ちゃんの数は人種・国籍も様々な300人以上と、まさに子育てのプロです。あなたの親を含め、大抵の人はせいぜい1~4人くらいしか0歳育児を経験しないと思えば、圧倒的な経験値の差です。この知見を活かさない手はありません。
無料の育児アプリで生活ログをとろう
ネントレ本のスケジュールに従って生活するには、お世話のログが必須です。
紙の育児日誌もいいですが、便利なのはアプリ「ぴよログ」です。無料なので、ママとパパのスマホに両方にインストールして生活ログを共有してください。
やめたこと②:結果をすぐに求めること(ネントレは継続が命です!)
寝かしつけにはいくつかのおすすめグッズが存在するのですが、「うちの子は○○拒否で」とか「せっかく買ったのにうちには合いませんでした」とか言う人多いですよね。
・・・それ、本当にじっくり試しました?????
睡眠薬でも飲ませない限り、赤ちゃんが魔法のように一発で寝ることはあり得ません。
どんなアイテムでも、最低1週間は試してください!
どんなネントレスケジュールでも、最低1ヶ月は試してください!
↑これ、実践するのは骨の折れることですが「いろんなネントレ本を読んで色々試す」ことほど成功から遠退くこともありません。
あなたが新しいアイテム・新しい方法に飛びつく度に、赤ちゃんは混乱してしまいます。(ママ、パパ、祖父母でやり方がバラバラなのも最悪です。)赤ちゃんに必要なのは、ブレずに導いてくれる我慢強い親です。
結果をすぐに求めるのはやめましょう。継続が命です。
やめたこと③:寝かしつけグッズへの投資を惜しむこと
寝かしつけには厳格なスケジュール管理と、継続が命だということはもうお分かり頂けたことと思います。
何のアイテムにも頼らず、規則正しい生活を続けるのはかなり困難です。ですから、続けやすいようにあなたの体力的負担を極限まで下げておく必要があります。それにはいくつかの寝かしつけグッズが役に立ちます。
何かと物入りな新生児期、新たに○○が必要と聞くとすぐ
「うちには合わなかったらどうしよう」
「すぐ要らなくなるかもしれないし」
と身構えがちですが・・・
試してみてダメなら、メルカリで転売してください!!
ネントレに限らず、育児はグッズやサービスにお金を使えば使うだけ分かりやすくラクになります。
特に睡眠時間の確保は、あなたが日中笑顔で過ごせるだけでなく、事故防止・うつ病予防にもつながりますから死活問題です。「このグッズには投資する価値がある」と思ったら、躊躇なく投資してください。
寝ない赤ちゃんをもった親を救う、22のチェックリスト
赤ちゃんが寝ない原因「生活リズムが確立されていないから」を改善
生活スケジュールを参考にするネントレ本を決める
授乳する時刻、沐浴の時刻、ベッドに連れていく時刻を固定します。おすすめはジーナ式です。スケジュールは厳格ですが、何も考えずに本の通りに生活するだけで生後10週には夜通し寝るようになったので、努力のコスパがよかったです。
「泣いたらおっぱい」をやめる
新生児が寝ないほとんどの原因は空腹ですが、「泣いたらおっぱい」を続けるとちょこちょこ飲みが習慣になります。1回の授乳で満腹になるまで飲み切れるようにならなければ、永遠に授乳間隔は1~2時間のままです。頻回授乳は母乳の生産量アップには役に立ちますが、睡眠スケジュールを確立する上では絶対NGな行為です。
また、夜あなたが寝る前には、赤ちゃんが寝ていても一度起こして授乳をしてください。そうすればそこから3時間は寝てくれるので、あなたの睡眠時間が確保できます。
「ジーナ式」の本では、頻回授乳をすることなく母乳の生産量を上げるための専用プログラムが載っていますから参考にしてください。
日中は明るく賑やかに、夜間は暗く静かにを徹底
「暗い」=「寝る時間」を叩き込みます。朝は7時にカーテン全開、明かり全灯してください。赤ちゃんがまだ寝ていても、普通のボリュームで生活してください。逆に夜6時以降は、赤ちゃんの寝室は遮光カーテンを使用して真っ暗にしてください。無音状態を作れるのが理想ですが、難しい場合はホワイトノイズを流すのも有効です。これはいかなる日も例外なく実施することが大事です。
夜間のお世話中も、明かりは最低限に
夜中の授乳・おむつ替え時の明かりは、手元が見える最低限の明るさに留めます。赤ちゃんはあなたが大好きなので、あなたが話しかけたり目を合わせたりすると興奮して目が冴えてきます。夜中のお世話の間は、話しかけない・目を合わせないで、機械的に行いましょう。ただし「寝ながら授乳」になると満腹になる前に吸うのをやめてしまいますから、首をくすぐったり手足を濡れタオルで刺激したりしながらある程度起こしてあげます。
赤ちゃんが寝ない原因「睡眠環境が安定しないから」を改善
寝る場所を毎回固定します
「ベビーベッドに入る」=「寝る時間」を叩き込みます。いかなる昼寝、夜寝も例外なく固定の場所で寝かせるように徹底してください。昼寝はクーハン、夜寝はベビーベッドというように使い分けるのはOKです。両方に慣れてもらいましょう。起きて遊ぶ時間帯にクーハンやベビーベッドに放置するのはやめましょう。日中はベビージムやバウンサーで過ごさせると良いです。
決まった寝具を使用します
最初の頃は、ベッドリネンの肌触りや枕のある無しで迷うと思います。ちょっと嫌がったからと言ってすぐ変えてしまうのではなく、毎晩1週間は試して「あう/あわない」を判定してください。赤ちゃんにしてみれば毎晩寝るときの感触が違うと、それがエンタメだと誤解してしまいます。
シビアですが、高ければ高いほど寝心地が良いのがベッドリネンの世界です・・・。
抱っこやおんぶでの寝かしつけは絶対NG
3kgの時はまだ良いですけど、5kg、10kgの赤ちゃんを夜明けまで抱っこでユラユラ・・・毎日例外なく続けられますか?どうせ続かないので、最初からその方法には手を出さないようにしましょう。もし抱っこしている途中に寝てしまったら、完全に寝入る前にクーハンやベビーベッドに移します。寝入る前の環境(ママの腕の中)と起きたときの環境(ベビーベッド)が違うと混乱の原因になり、ショックで覚醒してしまいます。
赤ちゃんが寝ない原因「寝るタイミングをわかっていない」を改善
入眠儀式の導入
絵本を読む(刺激の少ない色合いの簡単な本が良い)、子守唄を静かに歌う、ホワイトノイズをつけるなどの入眠儀式を取り入れて習慣化してください。毎日違う入眠儀式を試すのではなく、「これ」と決めたら最低1週間は続けてください。
効果のほどは不明ですが、沐浴後にラベンダーオイル配合のクリームを使ってベビーマッサージをする親御さんもいます。
↑我が家ではこちらのエルバビーバのベビーバターを使用していました。
眠くなる前にベッドに連れて行きます
赤ちゃんが眠くて泣き叫び始めてからベッドに連れていくのでは、遅すぎです。目を擦る、あくびをする、手足が温かくなるなどの合図を逃さずキャッチして、寝かしつけを始めるさらに15~20分前には静かで暗い寝室に連れて行きます。
寝かしつけ前の時間帯は、静かに過ごします
上の子がいる場合は、特に気をつけてください。疲れすぎてしまった日や屋外でベビーカーに揺られている時など、赤ちゃんはガヤガヤしたところでも寝られることがあります。しかしそれは偶然に近い出来事です。新生児なら夕方の沐浴の段階から、だんだん環境を静かに暗くしていく必要があります。
ちなみに上の子のお世話と新生児のネントレを両立するする方法は、こちらの書籍にスケジュールが詳しく解説されています。2~3歳差育児をする親御さんには必読書ですね。
赤ちゃんが寝ない原因「寝かしつけられることに慣れているから」を改善
夜中に赤ちゃんが目覚めても、完全に起きるまで介入をしません
赤ちゃんは、生理的に夜中に何度も目を開きます。少しうなったり、声を出したりするかもしれません。親たちの中には、赤ちゃんが「ヒッ」と言っただけで慌ててベビーベッドから抱き上げてあやし始める人がいますが、それは逆に赤ちゃんを揺さぶって起こしているようなもの。赤ちゃんが明確に大声で泣き始めるまでは、そーっと様子見をしてください。中には何もしなくても、ほんの数分泣いただけでまた眠りに戻れる子もいることをよく覚えておいてください。
赤ちゃんが自力で眠りに戻れるようにサポートする=入眠グッズを握らせる
胸をトントンする寝かしつけ方法は人気ですが、眠りに落ちるまでベッド脇を離れられないので最善の方法とは言えません。触り心地の良いおくるみを購入して、赤ちゃんの小さな手にそっと握らせるなどして、あなたの分身を作ってください。SIDSや窒息予防のためベッドの中にぬいぐるみを放置するのはNGですが、寝入るまで握らせるのはアリでしょう。完全に寝入ったら、そっと取ればOKです。
おしゃぶりを1週間試してください
おすすめはNukのおしゃぶりです。おっぱいを求めてよく泣く赤ちゃんの中には、おっぱいを飲みたいのではなく、ただ何かを吸っていたくて泣いている子が少なくありません。おしゃぶり依存を心配する人もいますが、完全に寝入る前に外してあげることで防げます(筆者の子どもは、この方法で生後半年で自然と卒業しました)。歯並びが悪くなるという説については、両親のどっちかが歯並びが悪ければ子どもの矯正は避けられないので諦めてください。おしゃぶりでどうにかなる問題ではありません。
おしゃぶりも、最初はペッと吐き出されて当たり前なので1週間は試してください。
赤ちゃんが寝ない原因「モロー反射で起きてしまう」を改善
スワドルアップを1ヶ月試してください
おひなまきを指導された方も多いかもしれませんが、そんな面倒なやり方よりチャックを開け閉めするだけのスワドルアップに投資してください。おむつ交換の際、おひなまきなら全部剥がさないとできませんが、スワドルアップは下の方のチャックを開けるだけで済みます。スワドルアップを効果的に使用する際の注意点です
- 夜間は、授乳中もスワドルアップを脱がさないでください(「脱がす」=「起きろ」の合図になるからです)
- 日中は、スワドルアップを着せないでください(昼夜の区別はしっかりと)
赤ちゃんが寝ない原因「暑い、寒い」を改善
室温をチェックしてください
手足ではなく、胸や背中の温度で「暑い」「寒い」を判断します。SIDS予防のため温めすぎはNGですが、冷えると赤ちゃんは目を覚まします。うまく眠ってくれた日があったら、服を何枚・シーツを何枚使用していたかや、室温を記録してください。再現性のある就寝スタイルが確立します。
赤ちゃんが寝ない原因「身体に不快感がある」を改善
体温を計測してください
赤ちゃんの平熱は高いですが、継続して37.5度以上ある場合は要注意です。(大抵の場合、原因はただの着せすぎです)38度以上ある場合は、迷わず医療機関に相談しましょう。
ゲップを出してあげる
新生児のゲップ出しについては、こちらの記事でコツを解説しています。動画付きです。

オナラを促してください
お昼寝前に、両足を持って自転車漕ぎのようにゆっくり動かしてあげてください。(女の子は関節を脱臼しやすいので、特に注意)
ゲップやオナラが出ない時は、傾斜をつけて寝かせます
マットレスの下にバスタオルを丸めていれるなどして、15度~20度くらいの傾斜をつけてあげます。筆者の子どもは新生児期、ヤギの泣き声にそっくりの「うなり」をあげることが多かったのですが、傾斜をつけるようにしてから激減しました。これは睡眠時の吐き戻しを軽減するのにも役立ちます。

赤ちゃんが寝ない原因「眠るほど疲れていない」を改善
日中を刺激的に過ごしましょう
新生児期は授乳と睡眠の繰り返しですから、アクティビティを挟む余裕は母子ともに無いかもしれません。しかし授乳間隔が空いてきたら、わずかな時間でもベビージムでいっぱいキックさせるなどエンタメを取り入れてください。まだ視力は弱いですが「しましまぐるぐる」のようなハッキリした柄の絵本もおすすめです。
ただし、寝かしつけたい15~20分前までにこれらのエンタメを終了することを忘れないでください。
空腹で泣く時は、ある程度泣かせて大丈夫です。運動になります
泣くことは赤ちゃんに体力をつけさせてくれます。泣いているのを永遠に放置せよと言うのではありません。赤ちゃんがわずかに泣いただけで、あれこれ先回りしてケアするのを控えるだけです。ちなみに仮に泣き疲れて寝落ちするまで放置したとしても、サイレントベビーにはならないので安心してください。赤ちゃんが泣いている=元気で生きている証拠、と思って、トイレに入ったり食事をしたりしてください。
赤ちゃんが寝ない原因「メンタルリープによる不快感」を改善
以上のことを全て試しても1日中グズグズして寝ない場合、メンタルリープを疑ってください
メンタルリープについて詳しくは、ぐぐってください。
赤ちゃんには脳の急成長期が2歳までに10回あって、その成長期にあたる週には精神が不安定になっていつもより不機嫌・グズグズが多くなります。あなたの子どものメンタルリープはいつなのか、スケジュールの確認とどんなケアができるのかについては有料のアプリがあります。英語ができる人は、英語でぐぐると、有料級の情報が読めます。
【結論】寝ない赤ちゃんはいません。諦めずに原因を探すべし!
以上が、現時点で考えられるほとんど全ての「寝ない赤ちゃん」への対処法です。
日本語で「赤ちゃん 寝ない」「新生児 寝ない」で検索すると、
原因はわかった。で、どうしろと???
「時間が解決してくれました」。え、今にも死にそうなのにあと数ヶ月頑張れと???
みたいな、実用性の無いアドバイスだらけでぶん殴りたくなりますね。(失礼)
良いですか?
病気でもなければ、どんな赤ちゃんも必ず寝ます!!
しかし何の努力もせずに自然に任せてしまうと、時間が解決してくれるのをただ耐え忍ぶしかなくなってしまいます。
1日でも早く、赤ちゃんに夜通し寝てもらうようにするための鉄則は、
- いかなる日も例外なく、固定のスケジュールで生活すること
- すぐに方針・方法を変更せず、継続すること
- 人力で解決しようとせず、寝かしつけグッズには投資すること
です。
ゆるふわっとネントレをして寝るような子も中にはいますが、それは超超ラッキーなレアケース。寝ない子を寝かせるためには、それなりの努力が必要です。
「何をしたって寝ない子は寝ない」ではありません、それは必ず何かのやり方が間違っています。
原因を探って1つ1つ試すのは途方もない作業ですが、やる価値のある努力です。一緒に頑張りましょう!