【NFTアートとは】普通のアートとの違いをわかりやすく解説

NFTアートって何ですか?デジタルのイラストや写真は、誰でも無料でコピペや保存ができますよね。何でわざわざお金を払う人がいるんですか?普通のアートと、どう違うんですか?

小学生がNFTアートを高額販売したというnoteを読んで、恥ずかしながら全く理解できなかった私。このまま無知でいてはいけないと一念発起し、まずは自分も子供の絵をNFTアートにして販売してみることにしました。

普通のママがNFT参入!子供の絵をNFTアートにして売ってみたわけ

その過程で、NFTアートって何?普通のアートとどう違うの?デジタルのイラストや写真になんで何億円も支払う人がいるの??なんの意味が??と疑問に思いました。

この記事ではNFTアートと普通のアートの違いについて、学んでわかったことをシェアします。なおテクノロジーに疎い私のようなママさんがざっくり概要をおさえる目的の記事ですので、技術的な仕組みの話は完全に省きます。

NFTとは何か、わかりやすく解説。なぜ誕生した?何のために、どんな人が使っている?

NFTとは、簡単にいえばこれ。

本来無限にコピペできるはずのデジタルデータに”鑑定書”(NFT)を発行することで、「ホンモノはこれ」と唯一性を持たせるための技術

具体例を挙げます。

まずはこの画像をご覧ください。

Beeple Everydays – The First 5000 Days 出典=クリスティーズのウェブサイトより

これはBeeple(ビープル)さんという海外のアーティストの作品「Everydays – The First 5000 Days」です。5000日間毎日描きためたイラストをコラージュして、1つの作品にしたそうです。

この作品のNFTが2021年3月にオークションに出品され、なんと75億円で落札されました。(ちなみにオークションを開催したのは1766年創業の老舗・美術品オークションハウスであるクリスティーズ)

でも75億円で落札されたこのデジタルアートの画像データを、私はネットから無料でダウンロードして、個人のフォルダに保存できます。ちゃんと引用元を記せば、自分のサイトにアップロードしてもいいのです。お金はかかりません。

私たちの今までの常識では、デジタルのイラストや写真は無限に&無断でコピペできてしまうので、どれが原本、どれがオリジナルということは考えてきませんでした。(もちろんコピペされたものは画像サイズが変わったり、解像度が落ちたりという劣化はあります)

そこで登場したのが、NFTという技術です。

本来無限にコピペできるはずのデジタルデータに”鑑定書”(NFT)を発行することで、「ホンモノはこれ」と唯一性を持たせるための技術

NFTとはデジタル版の”鑑定書”。

いくら私がBeepleさんの作品を「名前をつけて保存」したところで、デジタルデータと併せてNFTを持っていなければ、私が持っているのは「コピー品」と簡単にバレてしまい75億円の価値はつきません。

このNFT(鑑定書)は技術的に絶対に偽造ができないことが約束されています。鑑定書をコピペして勝手に自分のものにすることはできないし、鑑定書の中身を書き換えることもできません。

この鑑定書には売買の記録が書き込まれるので、NFTがAさんからBさんの手に渡ったら、そのことが永久に記録されます。BさんがNFTを所有しているとき、ハッキングして持ち主の名前をCさんに書き換えてしまうことはできません。技術的に不可能なのです。

従ってNFTを鑑定書というよりも、「売買の記録の証明」だという人たちもいます。


NFTアートとは、簡単にいえばNFT(鑑定書)付きのデジタルアートのことです。

これまで無限に&無断でコピペ可能だったデジタルアートにNFTをくっつけて販売することで、デジタルアートに希少性がうまれたのです。

実際にTwitter社ではNFTを持っている人がそのイラストをアイコンに設定したら、認証マークを出すというような機能のテストを行っています。

例えば私はBeepleさんの作品を勝手にアイコンにすることはできても(厳密には著作権法的にアウトですが、技術的には可能です)、NFTを持っていないので認証マークはつかず、「この人は勝手にコピペしただけだな」とバレてしまいます。ところが75億円払ってNFTを購入した人がこれをアイコンに設定したら、とんでもないステータスの誇示になるわけです。

これはTwitterの例ですが、これと同じことが今後ウェブの世界で展開されることが予想されます。

リアルの世界でどんな希少性の高いラグジュアリーなものを手に入れるかで皆がしのぎを削っていた時代から、オンラインの世界でもレアなデジタルコンテンツを所有するかが問われる時代が始まっているわけです。

すでにルイヴィトンやドルチェ&ガッバーナといった高級ブランドはNFT市場に参入して、デジタル衣装などを販売しています。

NFTアートと普通のアートの違い:①商流が変わる

NFTアートなら、転売されるごとにロイヤリティ収入を得られる(今までは1回売り切り)

もしあなたが自分のアートをAさんに売ったら、作品との関係はそこでおしまいです。

そのアートはもうAさんの所有物なので、Aさんが所有し続けようが、転売しようが、一度手元から作品が離れてしまったらその先のことはわかりません。

悔しいのが、後に自分が評価されてアートの価値が高まった時。

仮にAさんに作品を1万円で売った後、アーティストとしてブレイクしたとします。

Aさんは1万円で買ったアートを「初期の作品で希少性がある」として、なんと1億円でBさんに転売しました。Aさんは大儲けです。でもこの時、アーティストには1円も入りません。

これが、これまでの常識でした。

NFTは、この常識を完全に破壊したのです。

NFTがあれば、「いまNFTを持っているのは誰?」「誰が誰に、いくらで転売したの?」という取引の記録が永遠に残り、かつ誰でもアクセスして見ることができます。アーティストと作品の関係が途切れなくなりました。

アーティストが出品時にロイヤリティを設定しておけば、作品が転売される度に収益を得ることが叶ったのです。

先程の例なら、仮にアーティストがわずか2%のロイヤリティ料を設定するだけで、Aさんが1億円でアートをBさんに転売するときに200万円の収入を得られるのです。しかも将来BさんがCさんに転売したら、さらにまた手数料が入ります。

これはアーティストが経済的自立を目指す上で、画期的な仕組みです。

コラム:AV女優とNFTのオイシイ関係

日本では上原亜衣さんや三上悠亜さんなどAV業界の有名人がNFTに参入しているのをご存知ですか?NFTアートの最大手マーケット「OpenSea」などに自身のポートレートやショート動画を出品している他、SNSを通じて啓蒙活動を盛んにしています。

「❤️NFT#000」OpenSeaのコレクションページより

彼女たちが熱心にNFTの普及に努めているのは、おそらく「NFTで一儲けしたいから」ではありません。

AV女優の給料は、作品の撮影1本でウン十万円という具合に決まっています。

有料の配信動画が何本ダウンロードされようが、DVDが何枚売れようが、1度出演した作品が再編集されて別の作品として再リリースされようが、そこからの利益は0円です。もちろん人気の女優になれば撮影単価を上げることはできるでしょうが、プロダクション側が得る莫大な利益に比べたら些細なものです。

ですからおそらく彼女たちは、自分の映像から発生した収益から恒久的にロイヤリティを徴収し続けることのできるNFTに魅力を感じているのだと思います。

NFTは、ジャンルを問わず様々なクリエイターから経済的に自立するためのありがたい技術として注目されています。

NFTアートと普通のアートの違い:②参加障壁が変わる

画家になろうと思わないと気づかないことですが、実はアート界というのはとても保守的です。

試しに、知っている画家の名前を何人かあげてみてください。

いま挙げた中で、女性は何人いますか?

日本人を除いて、有色人種は何人ですか?

20代や10代の人は?

LGBTQの人は?

現代においても、伝統的なアート界はまだまだ白人男性の影響力が圧倒的に強いです。

でもNFTアートの世界は、違います。

最大手のNFT販売サイトOpenSeaは審査もありませんし、誰でも出品が可能です(そう、あなたでも)。ハンドルネームと、適当なアイコンだけでアーティスト活動ができます。年齢も問われませんから「NFTキッズ」なんて呼ばれている、子どものアーティストが世界中で誕生しているのです。

この12歳の女の子もNFTアーティスト(@teresamelvinart)。彼女の作品の総取引高は170万円以上です(記事執筆時点)。有色人種で女性、しかも12歳なんて伝統的なアート業界ならあと20年経ってもスタートラインにすら立てなさそう・・・NFTアートはこれだけ参入障壁が低いのです。

コラム:伝統的アート業界で、注目すべき黒人アーティスト

オバマ元大統領の肖像画を描いたことで一躍有名になった画家のケヒンデ・ワイリーさんは、黒人です。

ケヒンデさんは少年時代を、地元ロサンゼルスに数ある美術館に通い詰め、巨匠たちが描いた肖像画を見つめて過ごしたそうです。しかし成長するにつれ自分が黒人であるという意識が強くなると、ふと、これまで恋焦がれてきた18世紀や19世紀の肖像画には自分のような有色人種がほとんど描かれていないことに気がつきます。

「憧れてやまない場所に、自分の居場所がないことを思い知った」と、ケヒンデさんは少年時代を振り返ります。

ケヒンデさんがオバマ元大統領の肖像画を描くことになったのは2018年、41歳のこと。黒人画家が公式肖像画を描くのはこれが最初でした。伝統的なアート界の課題がよくわかるエピソードです。

NFTアートと普通のアートの違い:③アートの価値の基準が変わる

現実世界では、巨匠のアートは数が限られているからこそ希少性が高く、高値で取引されます。

例えばゴッホの肖像画。本物はこれ1枚だけだから、貴重なのです。

もしゴッホが「肖像画(背景ピンクver)」「肖像画(メガネver)」というように、似たような作品を1万枚も作っていたらどうでしょうか。おそらく人々は、そこまでゴッホの絵画を有り難がらないと思います。

でもNFTアート界では、逆のことが起こるのです。

有名なNFTアートコレクション「CryptoPunks」が良い例です。

「CryptoPunks」ではちょっとずつ肌の色や髪型、アクセサリーの有無が異なる人の顔のドット絵が数万点も発表されているのに、なんと取引総額は3330億円を超えます。(記事執筆時点)

CryptoPunksのコレクションページより

これは、NFTアート界がアーティストとファン(NFT所有者)でつくるコミュニティそのものを楽しむことを重視しているからです。(アーティストとファンがTwitterやDiscord上で交流して、次回作の方向性についてアンケートを募ることもあります。またNFT購入者が画像をSNSのアイコンに設定して、ツウっぷりをアピールしたり、同じコレクションのアイコン同士で交流したりといった様子も見られます)

作品が少なければ購入できる人が限られてしまい、コミュニティは育ちません。

ですからNFTアート界では、1点ものばかりを発表するアーティストよりも、CryptoPunksのようにちょっとした違いを楽しみながら色々集めたくなる”コレクティブ作品”と呼ばれるアートコレクションが人気です。

こちらの「Bored Ape Yacht Club」というコレクティブ作品も1万点ほど発表されており、CryptoPunksと同じくらい人気です。

Bored Ape Yacht Clubのコレクションページより

しかも興味深いのは、似たような作品を数万点販売したとしても、人々は勝手にその似たような作品たちの中から希少性を見出して、高値での取引を始めるのだそうです

NFTの展望。世界を変える技術になるのか?デジタルゴミになるのか?

NFTは「世界を変えた技術」として後世の教科書に載るのでしょうか?

それとも「人々はやがて”デジタルゴミ”になるものに踊らされ、大金を投じた」と嘲笑されるのでしょうか?

NFTがデジタルゴミで終わってしまうリスクはある、というのが現在の私の見解です。

「NFTなんて裸の王様だよね。だってデジタルコンテンツ自体はコピペすりゃ誰でも自分のものにできちゃうじゃん、何でわざわざ”売買の記録の証明”なんて買う必要があるの?」

と、皆が思ってしまえばそれまでの話です。

実際に、伝統的なアート界の権威たちは「NFTはバブルだ。あっという間にデジタルゴミになる」と盛んに喧伝しています。既得権益が侵されるのを恐れているのでしょう。発言の意図は十分理解できます。

でもこのリスクは、何もNFTに限った話ではないです。

例えば、私たちが愛してやまない日本円についても同じことが言えます。

私たちは「”諭吉”には価値がある」と信じているから、労働の対価に給料をもらい、それで生活をします。

でも、

もしも海外の有力な投資家が

「日本なんて没落国家だよね。日本円を持ってたらリスクだよね、いつ紙くずになってもおかしくない」

とでも発言したら、日本円はダダダダダァァァァ…っと暴落して、本当にただの紙切れになる可能性だってあるわけです。(だから富裕層は資産を現金のままにせず、不動産や貴金属に変えて保有するのです)

これは私見ですが、NFT界を発展させているのはすでにこの社会で勝ち組になっているエンジニアや投資家など富裕な人たちなので、NFTが「デジタルゴミ」になるリスクは低いと思っています。

勝者は自分たちが有利になるように社会のルールを書き換えていきますから、彼らがNFTに精通している以上、皆がNFTを信奉するように世界は作られていくと思うのです。

私は残念ながら資産家でもなんでもない平凡な人間ですが、だからこそこの変化に遅れを取らないように、これからも学習を続けていきたいと思います。

一緒に頑張りましょう。