
うちの子は2歳なのですが、言葉が遅くて宇宙語しか話しません。言葉が遅い子でも楽しめる、おすすめの絵本はありますか?
筆者は、息子が言語発達遅滞で健診に引っかかったものの、わずか3ヶ月で発語30以下→3語文までレベルアップさせた経歴の持ち主です。成功の秘訣は、絵本の読み聞かせでした。この記事では、300冊以上の読書履歴から、言語レベル別におすすめの絵本を紹介します。どれも図書館で借りられる、メジャーな作品です。
絵本の読み聞かせ以外の取り組みは、こちらの記事で紹介しています。

(追記 22/10/18):上の子の反省を活かし、下の子は新生児の時から絵本の読み聞かせをスタートしました。その結果、なんと1歳9ヶ月で普通に日常会話が成立するように!「ママ、今日スーパー行く?」とか、言うんですよ。絵本はほんとすごいです…。
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発語20以下の子におすすめの絵本

選書のポイントは以下の通りです。
- 背景は白
- イラストは1ページに1つか、複数でも何を見ればよいかが明瞭
- 文字は1ページあたり1~2行で、1行10文字以下
それでは、作品を紹介します。
だるまさん(かがくいひろしのファーストブック、全3冊)
難易度は「が」→「の」→「と」の順に上がっていきます。だるまさんの動きを真似しながら読んであげるのがポイント。息子はこの絵本で「どてっ」という言葉を覚え、おむつがえの際など「どてっ、してね」と声をかけると、その場に静かに寝転んでくれるようになりました。
ぴょーん
イラストがリアル&はっきりした色彩なので、新生児でも喜びます(←第2子で実験済み)。さまざまないきものが、ぴょーんと飛び跳ねるだけの絵本ですが、「ぴょーん」という楽しげな言葉と動作が結びつきます。
※ボードブックタイプあり。破れません
ぽんちんぱん(0. 1. 2.えほん)
食パンのリアルなイラストともに「ぱんぱんしょくぱん、ぽんちんぱん」と軽快な掛け声(?)で、リズムよく読み進められます。食パンを筆頭に、いろんなパンが出てくるので、我が家ではパン屋さんで実物を買ってきて楽しみました。
※ボードブックタイプあり。破れません
てんてんてん(0. 1. 2.えほん)
色数が少なく、イラストがはっきりしています。黄色い蝶々が1匹見開きでドーンと描いてあって「きいろい ちょうちょ」と文字が書かれているだけの情報量で、とっつきやすいです。いろんな虫が出てきますが、デフォルメされているので気持ち悪くないです。これも新生児からいけます。
※ボードブックタイプあり。破れません
ぶーぶーぶー(0. 1. 2.えほん)
青・赤・緑などのベーシックな色の車が出てきて、ぶーぶーと平和に走っているだけの絵本です。セリフが少ないので、すぐに暗記して自分ひとりで読めるようになります。我が家では2歳の兄が、0歳の妹に読み聞かせる姿が見られます。
※ボードブックタイプあり。破れません
でてこいでてこい(0. 1. 2.えほん)
シンプルな四角や丸のモチーフに、動物が隠れています。「でてこい でてこい」と言ってページをめくると、生き物のシルエットが浮かび上がるという流れ。「あひるさんだね、へびさんだね」と生き物の名前を声かけしながら、鳴き声などの擬音語に親しみます。
※ボードブックタイプあり。破れません
あめかな!(0. 1. 2.えほん)
雨の日におすすめの絵本です。「ぴしゃ」や「ざぁざぁ」などの日本語に特徴的な擬音語。この絵本で、雨の降り方の違いを言葉で表すことを知ります。我が家では真夏のゲリラ豪雨の日、この絵本を読んでから外に出て全身で雨を感じ、ずぶ濡れになって遊びました。色彩が綺麗なので、目をひきます。
※ボードブックタイプあり。破れません
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発語30程度の子におすすめの絵本

発語20の壁を突破し、30に迫る頃は「言葉が通じるのが楽しい!」と気が付く頃。読み聞かせにも慣れてきて、絵本=破るものではなくなっているのではないでしょうか。
選書のポイントは次の通りです。
- 背景は単色か淡い色で、何をみるべきか主役が明確にわかる
- 写実的なイラストで、抽象度が低い
- 文字は1ページに3〜5行程度だが、1文が極めて短い
それでは、作品を紹介します。
くつくつあるけのほん(林明子、福音館赤ちゃんの本)
どれも背景は有色ですが、イラストがはっきりしていて「今何の話をしているのか」がわかりやすい画面構成になっています。基本的に1ページ3~4行(1行10文字以下)の短い文が続きます。登場人物の表情がはっきりしているので、「困っているね」「ニコニコしているね」と感情にまつわる言葉を教えることができます。
くまたくんの絵本(幼児絵本シリーズ)
クマの子どもを主人公に、幼児の日常を優しい色鉛筆画で描いた絵本です。親しみのある出来事を描いているので、文字がなくても話の展開がわかります。1ページ1行ほどの短い文章ながら、挨拶や感情、動作にまつわるフレーズが盛り込まれています。
1970年代に書かれた本ですが古臭さはなく、むしろお父さんが積極的に育児参加しているなど、ジェンダーバイアスに囚われない「今っぽさ」魅力です。
ここで紹介した作品はどれも内容が簡単で赤ちゃん向けですが、くまたくんのシリーズは他にもたくさんあります。幼稚園生くらいになったら、再びくまたくんに出会うでしょう。夏休みに飛行機に乗ったり、連絡船に乗ったり、新幹線に乗ったりする冒険の数々。楽しいですよ!
平山和子のたべものの絵本
写真かと見紛うほどの色鉛筆画が美しい、平山和子さんの作品。例えば「いちご」は、雪に埋もれたいちごの苗に花が咲き実がなって、真っ赤に色づくまでを描きます。「まっかないちご」「さぁ どうぞ」など2語文への足掛かりになりそうなフレーズがいっぱいです。
これらの本は類似作品が他の作者からもたくさん出ていますが、平山和子さんの画力に敵うものは1つもありません。筆者も幼い頃この本を持っていましたが、大人になった今でも、このみずみずしいいちごの姿はしっかりと記憶に焼き付いています。
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2語文が出てきた子におすすめの絵本

そろそろ絵本のストーリーを理解したり、複数の登場人物の会話を聞き取る練習ができる頃です。
選書のポイントは次の通りです。
- 登場人物が複数いて、2人での会話がある
- ストーリー性がある
- イラストは明瞭か、具体的に描かれていて理解しやすい
それでは作品を紹介します。
こぐまちゃんえほん
短い文が3~4行(1行15文字程度)の本です。タイトル通り、クマが買い物をしたり、遊んだり、料理をしたりする話です。内容は平易ですが、(似たような見た目の)登場人物が複数出てくるので、「誰が何をしているのか」しっかり聞き取る能力が試されます。
松谷みよ子 あかちゃんの本シリーズ
複数の登場人物がいるとき、それぞれのセリフは誰の発言かを正確に理解できると、読める本の幅がぐっと広がります。紹介する2作品は、1ページ5行程度(1行5~8文字程度)の短い文章で、集中力が続きやすいです。
「おふろでちゃぷちゃぷ」では「ねぇどこいくの?」「いいとこ いいとこ」といった2人の人物のリズミカルな掛け合いが続きます。初めはちょっと声色を使い分けると、誰がしゃべっているのかを理解しやすいかもしれません。
「もしもしおでんわ」は、女の子のところへ電話(黒電話です)がかかってくるお話。電話の相手は見えないので、「見えないところから声がする」という電話特有の会話様式を理解できます。
ここでは5作品のみを紹介しましたが、この頃には、「赤ちゃん向け」と銘打っている絵本なら全て楽しめるようになっているはずです。特におすすめなのが、福音館書店の「0. 1. 2. えほん」シリーズ。全冊ボードブックなので破られる心配もありません。自分でめくる練習をさせるのも良いでしょう。読んだことのない作品が図書館にあったら、全部借りちゃってください!
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3語文が出てきた子におすすめの絵本

3語文が出てくるようになると、起承転結のある物語が読めるようになります。特におすすめなのが、福音館書店の幼児絵本シリーズ(こどものとも年少版)。対象年齢は2〜4歳ですが、文章が平易な作品から読み始めることができます。
それでは、作品を紹介します。
わにわにシリーズ
独身のおじさんの日常を覗き見しているような、平和でユーモラスのある絵本です。ワニのわにわにがお風呂に入ったりご馳走(鶏肉)を焼いたりします。登場人物は基本的にワニ1匹なので、説明文とセリフの区別がつきやすいです。ストーリー性のある絵本の入り口として、おすすめできます。
林明子の幼児絵本シリーズ
1ページ5~8行(1行12文字程度)と文章のボリュームは増えますが、小さい子にとって馴染みのある場面を描いているので、理解が簡単です。普段は電車の本しか興味を示さない息子も、女の子が可愛いからか、じーっと釘付けになっていました(笑。
「おでかけのまえに」は、日曜日にピクニックへ出かける前の準備が描かれます。息子はこれで「ピクニック」とは何かを理解しました。
「おいていかないで」は兄と妹の話。虫取りに出かけようとするお兄ちゃんは、足手まといになるので、妹について来てほしくありません。そこで、妹に見つからないようにコッソリ部屋を出ようとするのですが、必ず見つかってしまいます。
どちらの本も、家庭でよく交わされる会話フレーズがいっぱいです。
良書がたくさん。福音館書店の幼児絵本シリーズ
福音館書店の幼児絵本シリーズ(こどものとも年少版)は良書が多く、他にもたくさんおすすめがあるので一部を紹介します。どれも文章が少なく、3語文を話すくらいの子どもにちょうどいいです。
まてまてタクシー
タクシーに忘れ物をして、「まてまてー」と追いかけます。これで「まてまて」を覚えた息子。実生活でバスに乗り遅れそうになった時、ベビーカーの中から「まてまてー!」と叫んで、見事発車しかけたバスを停めました(笑。
つぎ、とまります
乗客がたくさん乗ったバス。「ブー」とブザーが鳴って、停留所でお客が降りて行きます。息子はタイトルでもある「つぎ、とまります」のフレーズが気に入ったようで、実生活でバスに乗った際、機械音声のアナウンスに関心を持つようになりました。
カレーライス
野菜を切るところから、カレーライスを作っていく絵本です。「おなべで おにくを いためます」という風に、文章が3語文で構成されているので、今のレベルにぴったりです。日本語のリズムに親しむと共に、助詞(てにをは)の勉強にもなります。
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まとめ

以上、子どもの言語レベル別におすすめの絵本を紹介してきました。
絵本を借りてきてもなかなか興味を持ってくれない・・・というお悩みには、次の記事が役立ちます。私の息子も長らく「絵本=食べるもの」だったのですがある時、表紙の見える絵本棚を用意したところ、たちまち「本の虫」になってしまいました。DIYの記事ですが、おすすめの既製品の紹介もしています。

絵本の読み聞かせ以外にも、言語発達のためにできることはまだまだあります。発話を促す取り組みは、次の記事でたっぷり紹介しているのでご覧ください。

言葉が遅いと大変ですよね。でも、努力は必ず報われますよ。一緒に頑張りましょうね。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました
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