
小学生が描いたNFTアートが、高く売れたって話題になってましたよね。うちの子の絵も、NFTアートにしたら売れますか?
NFTアートとは何か、なぜしょうもない絵(失礼)に大金が支払われるのか知りたくて、実際に娘(1歳)のお絵かきをNFTアートにして出品してみました。その経験からわかったことを共有します。
記事で紹介されている商品を購入すると、売上の一部がロジカル育児に還元されることがあります🌱
子供の絵をただNFTアートにしても売れない、2つの理由
理由はズバリ2つです。
理由1:無名だから
理由2:絵そのものには価値がないから
詳しく解説しますね。
NFTアート界はすでに供給過多。無名のNFTアーティストは、簡単には売れない。
世界のNFTアートの取引シェア97%を誇る、OpenSea(オープンシー)は審査がなく誰でも出品・購入ができるマーケットです。この記事を読んでいるあなたも、今から出品可能です。審査がないので、ピンからキリまで作品が殺到し、カオス状態。まずサイト上で見つけてすらもらえません。

「無名でも、子どもなら珍しがってもらえるのでは?」と思われそうですが、実はすでにアメリカやインドを中心に、「NFTキッズ」と呼ばれる未成年のNFTアーティストたちが続々と登場し成功を納めています。

子どもであるだけでは、今更差別化になりません。
NFTアートは、絵そのものには価値がない。NFTアーティストの「個人ブランド」に対してお金が支払われている。
こちらの記事で、NFTアートを買う人は、絵そのものにお金を払っているのではないよというお話をしました。

デジタルアートそれ自体は、誰でも無料で&無断で&無限にコピペできるので、わざわざ大金を払う意味がありません。
NFTアートはアートそのものの価値よりもむしろ、そのアーティストの「個人ブランド」の価値を重視した取引がされています。
ただでさえデジタルアート自体には価値がないというのに、子供の描いたわけのわからない絵となれば輪をかけて救いようがありません。

お金が余って仕方のない富豪が、酔っ払った勢いでたまたまポチッと買ってくれないことがないとは言えませんが、いまNFTアート界は圧倒的な供給過多。市場にピンからキリまで作品が溢れ過ぎていて、基本的には見つけてもらうことすら困難です。
「売れない」とわかっていても、普通のママが子供の絵をNFTアートにしてみた理由
NFT=「個人ブランド」。個人で稼ぐ個人の時代に、我が子を有利にしてあげたいという(余計な)親心
すでに、個人で稼ぐ個人の時代が始まっています。
「個人ブランド」を確立できた人だけが、いろんなしがらみから自由になって豊かに暮らせるのです。
私は親として、この「個人ブランド」を我が子に与えてあげたいと思ったのです。
元々アートが好きなので、頻繁に子どもを連れて美術展に出かけていますし、お絵描きの環境づくりにもこだわっています。NFTアートにもぼんやりとした関心は持っていました。

・森美術館
それがあるキッカケを契機として、一念発起してしっかりNFTアートやその周辺のブロックチェーンや仮想通貨についても学ぶことにつながったのです。(詳しくはこちらの記事に書きました)

しかし前述の通り、ただ子供の絵をNFT化して売れるほど世の中は甘くありません。
そこで私は、ある戦略を考えました。
子供の絵をNFTアートにして売るための戦略とは?事例の共有
私は、娘の1歳の誕生日にこんなNFTプロジェクトを立ち上げました。
NFTアートプロジェクト:CHANGE HER LIFE FOREVER(チェンジ・ハー・ライフ・フォーエバー)

- (おそらく)世界最年少のNFTアーティスト
- 20歳になるまで毎月1枚以上のアートを発表
- 売上金はすべて娘のために使うことを約束(画材やデバイス、フィールドトリップ、教育など)
プロジェクトの紹介文を引用します。(※ 原文は英語です)
お誕生日おめでとう、わたし!
こんにちは、わたしは今日1歳になったばかりの女の子よ。わたしは、今日から20歳の誕生日まで、毎月最低1つのNFTアートを発表すると決めたの。
パパとママは、アートの売上金を全部わたしのために使うって約束してくれたわ。つまり、あなたがアートに高い値段をつければつけるほど、わたしの人生は変わっていくっていうわけ。あなたがいなければ、わたしは普通の女の子として生きていくことになる。でも、あなたとブロックチェーン上で出会えたなら、わたしの人生は永遠に変わるわ。
あなたは、わたしがどのコミュニティに所属すべきか、どの国(あるいはどの星!)に住むべきかを左右するかもしれない。そして、そのことがわたしの生み出すアートにどのように作用するのか、とても興味があるの。NFTネイティブなわたしは、将来どんなアートを作るようになるんだろう。
あなたがわたしを見つけてくれるのを、楽しみにしているわ!
大好きよ、
クリプトベイビーより。
CHANGE HER LIFE FOREVER.
NFTアートプロジェクトの差別化ポイントの解説
1. (おそらく)世界最年少のNFTアーティスト
NFTアート界で売買されるNFTは、アーティストの「個人ブランドの株式」みたいな側面があるという話を以前しました。

ですから(すでに著名なアーティストは別として)アーティストが若く、将来性が見込めるほどNFTの値段も上がりやすいのでは?と考えました。
アーティストとファンが交流し、コミュニティが盛り上がるにつれてNFTの価値も高まっていきますから、単純に寿命が長い人の方が有利、という発想です。娘はまだ1歳ですから、22世紀まで生きられるでしょう。その頃には巨匠です。
2. 20歳になるまで毎月1枚以上のアートを発表

従来のアート界には、「作品の数は少ないほど貴重」という常識が根強くあります。しかしNFTアート界では、真逆の現象が起こっているのです。例えば「CryptoPunks」というプロジェクトでは数万枚もの作品がリリースされましたが、それが高値で取引されています。
先程、コミュニティが盛り上がるほどNFTの価値も高まるという話をしました。
NFTを購入できるのがたった1人だけでは、コミュニティは育ちません。ですから作品はある程度多い方がいいのです。「ある程度」とぼやかしたのは、では一体どんなNFTアートを何枚リリースすれば良いのかについては、まだ正解がないからです。
NFTアート界はまだまだ発展途上。
そこで私は、とりあえず最低でも228枚(12枚×19年)はNFTアートを発表すると約束してみたらどうだろうか?とあたりをつけました。
3.売上金はすべて娘のために使うことを約束(画材やデバイス、フィールドトリップ、教育など)
付き合う友人、目にするもの、住む場所、食べるものが変わったら、人間が生み出すアートはどのように変わっていくのだろうか。それとも案外、変わらないのだろうか。
これは、アート好きな私が日頃から抱いていた疑問です。
NFTアート界ではデジタルコンテンツそれ自体にお金が払われるわけではない、という話をしましたが、売上金を娘に投資することで彼女の作風が変化すれば、アートそのものの希少性や価値も高めていくことができるのでは?と考えました。
NFTアートでの成功は難しい。でも恥をかいてでも、挑戦すべき。
NFTアートを出品してみて、1ヶ月後のリアルな状況
この記事を読んで「なるほど面白そうだ」と思ってくれた方がいたら嬉しいのですが、世の中甘くありません。
CRYPTO BABYのTwitterアカウントのフォロワーは未だ0人ですし、記事執筆時点でNFTプロジェクトのページビューは2件(しかも内1件は自分!)という燦々たる状況です
NFTアート界は圧倒的に、供給過剰。
売り手が多すぎて他の作品に埋もれてしまい、まず見つけてもらえないのです。
ですからTwitterの発信を精力的に頑張らなければならないのですが、私は未着手です。ツイートのインプレッションは、1投稿30とか。悲惨ですよね。
失敗してるプロジェクトもどんどん晒す。恥をかいてでも、挑戦した人だけが「個人で稼ぐ個人の時代」を生き残れる
正直、総スカンを喰らっているNFTプロジェクトを公表するのは本当に恥ずかしいです。でも恥をかいてでも、見つけてもらえなければ何もやっていないのと同じですから・・・私は、恥をかきながら経験を積む方を選びたいと思います。
NFTアートの面白いところは、自分の作品のNFTを今誰が持っているのか、何回転売されてもちゃんと追えることです。


どんな人が自分のことを応援してくれたのか、支えてくれたのか、それが記録としてずーっと残るというのは、娘の自己肯定感を育む上でも良いのではと思うのです。
まずは、実際にやってみる。
そうすると、リアルな経験を通して知見がたまります。
私はこれをやって、本当に良かったと思います。この記事も、チャレンジしなければ書けなかったことです。
NFTアート界は供給過多とはいえ、まだまだ発展途上です。自分が勉強して発信していくことで、いくらでも参加者を集めて、マーケットを大きくすることが可能です。
一緒に勉強していきましょうね。この記事が、参考になりましたら幸いです。