聴覚過敏のパパと息子の、むずかしい日常

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聴覚過敏に苦しむ家族

トイレを流す音がうるさい、息子

息子が2歳だったころ。トイトレ完了を喜んだのも束の間、何度言い聞かせても、トイレを流さない日が続きました。

聞くと、「流す音がうるさい」と言います。

外出先でも同じで、用を足すと

「ぼくが個室から出てから、ママが流してね」という始末。何度も念を押すので、よほど耐え難い苦痛なのだろうと察しました。

しかしトイレを流さないと、不衛生。そこで彼には、

「申し訳ないけれど、流すのはあなたの役割。耳を塞ぐなりして、流すための方法を考えて」

とお願いしました。息子は了解し、以来、家では耳を塞ぎながら流してくれることになりました。

子どもの泣き声が苦手な、夫

夫は、子どもの泣き声が苦手です。

子どもたちが喧嘩を始めると、個室に引きこもって、大きな体をくの字に折り曲げて苦痛に悶えます。

夫は決して「静かにしろ」とは言いません。しかし、苦痛に耐えている姿を見せられると、身内から騒音クレームを喰らっているようで、こたえました

子どもを2人も育てておいて、泣くな叫ぶなは無理な話です。

夫は、ノイズキャンセリング付きヘッドフォンをして遮音に努めています。家族とお出かけ中も常につけているものですから、「あなたたちと関わりたくありません」というサインに見えて、悲しくなることがあります

聴覚過敏は、「我慢が足りない」かどうかの問題ではない

聴覚過敏を理解するのに役立った知識

私は、騒音にかなり寛容なほうです。

中学受験のころ、級友がふざけたり喧嘩したりで、100デシベルはあろうかという騒がしい環境で自習を続けていました。その日々が良い「訓練」になったようで、どんなにうるさくても脳が勝手に音を遮断してくれます。例えばカラオケルームの中で読書しろと言われても、全く問題になりません。

そんな私にも、苦手な種類の音はあります。

雨に濡れた床をゴム長靴でキュッキュッとこすり歩く音や、黒板を爪で引っ掻く音は耐え難いです。そして不思議なことに、脳の方で遮断することがほとんどできません。

どうやら聴覚過敏の人は、日常の何でもない音が、「黒板を爪で引っ掻く音」くらい耐え難い音に聞こえるそう。

それを知ってから、「そりゃ、大変だ。本人にはどうしようもないわ」と寄り添えるようになりました。

聴覚過敏の原因に直接アプローチする方法はないのか

思い起こせば、私の姉も、聴覚過敏でした。(現在もです)

雷鳴、花火、運動会のピストルの音。これらを極端に怖がり、大袈裟に耳を塞いで怯えました。両親は呆れ返って、

「神経質すぎる」とか「我慢が足りない」「ビョーキだ」とか

散々言われていましたが、大人になっても治りませんでした。今では両親も諦めて、受け入れています。姉の粘り勝ちです。

実際、聴覚過敏はタフネスの問題ではなく、神経学的なプロセスの違いによって生じるものだそう。

このnoteでも、神経に直接アプローチして過敏反応をおさえる方法はまだ見つかっていないとしています。

家族が聴覚過敏だと気がついたら、できること

心療内科に相談してみた結果

夫の聴覚過敏を心療内科に相談すると、対策法をいくつか提案してくれました。

  • イヤーマフ+耳栓
  • ノイズキャンセリング付きスピーカーを部屋に設置する
  • エビリファイ(感覚を鈍くする薬)の服用

動かすことはできませんが、室内で騒音に困っているのなら、防音室という手もあります。

しかし、中にワークデスクを置けるものは180万円以上かかります。

「歩けない人が車椅子買うのと同じ、と割り切って設置したら?」と夫に提案しましたが、さすがに怯んだ様子。「まずはイヤーマフ+耳栓で頑張る」と遠慮されました。

夫が購入したイヤーマフは、こちら。

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(すべての製品が同じですが)人の声は通します。ただ、耳栓をした上でイヤーマフを装着し、別室にこもればだいぶマシです。

「周囲の理解」は重要である

東京では、聴覚過敏の理解がだいぶ進んで、街中でイヤーマフをした子どもを見るのは珍しくなくなってきました。

聴覚過敏の理解促進のために、イヤーマフにシンボルマークを貼っている子も見かけます。

個人的には、電車の中でかなり挙動不審な子を見かけても、相手がイヤーマフをしているだけで「特性を理解して、周囲からケアが受けられている人だ」と安心します。

「うるさいから」という理由で、息子がトイレを流せないことを知った時。

もし私に知識がなかったら、両親と同じように「神経質だ」とか「我慢が足りない」とか言って、人格否定に走ったかもしれません。

幸い、先人たちがたくさんの事例をシェアしてくれていたおかげで、冷静に受け止められました。「まあ、そういう人もいるよな」と考え、うるさい世界でどのように生きづらさを減らすか、建設的に考えることができました。

感謝しています。