保育方針から、フィットする保育園を選ぶ

のびのび園で教えること

記事で紹介されている商品を購入すると、売上の一部がロジカル育児に還元されることがあります🌱

保育方針が子ども中心の保育園でやっていること

子どもが中心となって行事を企画し、実行する

先日、子どもたちの保育園で展覧会がありました。

5月に、年長さんの発案で展覧会を開くことが決まったそう。

  • 子どもたち(年少〜年長までの異年齢保育)が話し合ってテーマを決める
  • 活動しやすいようにグループを作り、わかれる
  • 保護者に廃材の寄付を募る
  • コツコツ作品を作り貯める

こんな感じで、準備に要したのは6ヶ月。ようやく開催された展覧会は、子どもたちの、子どもたちによる、子どもたちのためのイベントでした。

行事に参加するかしないかも子どもの選択次第

1人でたくさんの作品を発表する子もいるし、グループの共同制作だけに参加する子もいる。モノを見れば、作り手のこだわりやパッションが伝わってくる、アートの真髄ともいえる作品群でした。

展覧会にはプログラムはありません。突発的にピアノの演奏が始まったかと思うと、ワラワラと子どもたちが集まって、歌い出す、踊り出す。もちろん歌いたくない子は、参加しない

熱心に作品の説明をする子がいれば、両親とオモチャで遊びたがる子もいます。そこに集まっている子ども全員がリラックスしていて、エネルギーに満ち溢れていたのが強く印象に残りました。

この保育園は「うちは子ども中心の保育をしています」と明言しているのですが、展覧会の様子を見て、その言葉に偽りなし、と確信しました。

子ども中心の保育園と保護者中心の保育園の違い

保護者中心の保育方針では、保護者を喜ばせるために行事をする

私は前年度まで、娘を別の保育園に通わせていました。そこは民間の認可保育園で、仮に名前をXナーサリーとしましょう。

Xナーサリーに入園を決めた時、保育の方針など気にもしませんでした。働くために娘をどこかの園に預けなければならず、たまたま定員に空きがあったのがXナーサリーだけだったのです。

Xナーサリーは、行事の開催に命をかけていました。

Xナーサリーの園児は、0歳児クラスから運動会や学芸会に参加します。保育士の手製のコスチュームに身をつつみ、踊りを練習し、スマホを構えてズラリと並ぶ保護者の前で日頃の成果を披露します。娘のクラスは「おおきなかぶ」の劇でした。

当然のことながら、子どもの中には指示通りに動けない子や、ステージから逃げてしまう子がいます。緊張して大泣きする子もいます。

それを複数の保育士が見事な連携でフォローし、演技は無事に終了。保護者からは、拍手喝采。

私は、鳥肌が立ちました。(悪い意味で)

わが家は子育て方針の違いから、子ども中心の園に転園しました

私はXナーサリーの運営委員を務めていたので、後日開かれた委員会で、意見しました。

子どもたちがやりたがったならともかく、ですよ。指示通りに正確に動くことをヨシとするプログラムを、乳幼児にさせるのはいかがなものかと、私は思いますが…💦

園長も、本部の人も、ポカンとしていました。

発言の意図を全く理解できていない様子でした。

そして、ものすごく困惑した表情で「あの・・・日々の活動で、おおきなかぶの絵本を読んでいまして、みんなおおきなかぶは好きなので・・・嫌なことを無理やりさせたというわけではないのですが」

この一件で、わが家の子育て方針とXナーサリーの保育方針が決定的に違うことが明らかになりました。Xナーサリーの保育方針は、保護者中心なのです。

保護者中心の園では、子どもに可愛いコスチュームを着せてパフォーマンスさせることに意義があるのです。

一方、わが家の子育て方針は子ども中心です。

方針の違いが明らかになってすぐ、私は粛々と娘の転園手続きを進めました。そして、いまの園でのびのびと過ごしていることを喜ばしく思っています。

すべての人にとって完璧な保育環境は存在しない

子ども中心の園が向かない家庭

保育方針とかどうでもいいから、とにかく預かってくれ!という人には、おすすめしません。保護者中心の園では、38度台を少し越えたくらいじゃお迎えコールはかかりません。お兄ちゃんが感染症でも、弟が平熱なら預かってくれます。

一方、子ども中心の園では37度3〜4くらいからお迎えコールです。複数きょうだいがいる場合、誰かが発熱したら、全員欠席です。(厚労省や自治体のガイドラインがキッチリ適用されます

また、規律と秩序を重んじる家庭にも、おすすめしません。例えば、保護者会でこんなことがありました。規律と秩序を重んじる保護者さん(その方の職業は警察官でした)が、戸惑いながらこう質問したのです。

「娘に聞きましたら、保育園ではみんなで一斉にいただきますをしないと言うんです。本当ですか?」

担任が「はい。空腹になるタイミングは人それぞれなので。食べたい子から食べる、というふうにしています」と答えると、愕然としていました。数ヶ月後、そのご家庭はよそへ転園して行きました

どっちの保育方針が優れている、という話ではない

私は子ども中心の園に転園させてよかったと思っていますが、それはわが家にいま余裕があるからです。余裕がなければ、私だって保護者中心の園の世話になります。子どもに負担をかけることになろうとも、構ってはいられません。綺麗事では生活は回らないですから。

それに、先にあげたご家庭のように、規律と秩序を重んじる家庭には子ども中心の園はフィットしません。では規律と秩序がバカバカしいかというと、そうではないですよね。社会に規律と秩序を重視する人がいるからこそ、成り立っているシステムや仕事は存在します。そして私たちは社会の一員として、その恩恵に授かっています。

大事なのは、教育に選択肢があること。

そして、自分の子どもがフィットしないと気づいた時に、簡単に移動できることです。